• 「猫の手貸します」

与野市民が行なっていた「小さな与野いいじゃないか!」の市民運動に参加。3市合併に住民投票を求める運動だったが、ここでの活動が合併問題に取り組むきっかけとなった。自分の住む浦和市でも合併問題に関心を持って取り組む。3市合併に対し、「反対」の立場で400人の請願署名を議会への提出をある議員と約束。しかし、約束は守られなかった。議会のあり方に疑問を感じ、合併手続きへの問題提起のため、立候補を決意。告示の3週間前だった。告示前日夜まで、書類提出に時間が掛った。準備状況からして、とても当選は視野に入らない状況である。しかし、夢中で動いた。下手なマイクで訴えた。自転車に旗のスタイルで、雨の日も風の日も、浦和市内を回る。総決算の投票日、4月25日の夜中。55人中40人定員29位。当選が決定。以来2年間、合併問題や行政・議会の改革を中心に議員活動を続けた。大変な責任感だった。選んでいただいた以上、一人ででもやる、と無我夢中だった。しかし次第に、内面に葛藤が生じ始めた。自身の活動が、必ずしも全体の奉仕者である政治家としての役割に至るものではなかった。政治とは「決定」し「創る」立場に立つものだが、自分の役割は、主流の勢力に「異を唱える」ことが求められたことが大きな要因。それまで見えなかったものが、議員という立場に立たせていただいて見えてきた。必ずしもワンテーマの実現をめざす市民運動の主張とは、同じ考えになれない溝を感じるようになった。