• 「猫の手貸します」

本日(18日)午後から夜にかけて、
明大大学院へ。

■政策研究Ⅸ-C
北大路先生による。
自治体の組織論について。

 組織が動く時、あくまで目的は、戦略どおりに成果をあげることができるかどうかで、組織論はその手法である。組織論といっても、組織論一般を語るのではなく、自治体には自治体の特色にあった組織論を論じていくべきだ。つまり民間企業と自治体の組織の特色には差異がある。組織の効率、といっても「人的資源マネジメント」が大切であり、冷たい効率論を述べているわけではない。
 自治体と民間企業の組織を比較すると、両者は大きく異なる。ライン管理者は自治体が少数、民間企業が多数。管理職昇進スピードは自治体は遅い、民間企業は早い。一般職員への権限委譲は自治体が高度で民間企業は低い。なぜこんな相違が生まれるのかと言えば、自治体の場合、目的・手段の体系が、その存在の趣旨から多元的であるからだ。民間企業は一元的である。
 自治体には目的別のマネジメント単位が必要である。マックスウェーバーは、官僚制を規則による合法的支配理念型と好意的に述べた。行政組織は、社会問題解決・軽減のための介入機能を持っている。なんでも対応できる汎用性がなければ行政は仕事にならない。目的設定については柔軟性が高い。だからジェネラリスト型組織となる。自治体職員の教育訓練は、いわば「派遣業」を養成するようなもの。組織の柔軟性があり、テリトリーをまたぐことが容易だからこそ、タテワリで対立を回避している。年功人事は、実は年功以外の評価をしている。タテワリについてもそうだが、これまで一般に言われていることが正しくないケースもある。注意しなければならない。
(以上、授業の模様←提出レポートより)