• 「猫の手貸します」

東日本大地震、そしてその影響で
引き起こされた津波災害や原発事故。
まだ現在進行形だ。
テレビ・ラジオは、
やや平常時の番組に戻りつつも、
視聴者側の気持ちの面では、
まだまだ大震災の余波は大きな領域を占めている。
そんな雰囲気の陰で、私が考えるに、
普段ならば大きく報じられたであろうことが
3件あるので記しておきたい。
●地下鉄サリン事件から16年
●千葉県で鳥インフルエンザ2例目が確認
●米英がリビアを軍事攻撃
ツイッターにもすでにこの件を記している。
●地下鉄サリン事件から16年
1995年3月20日。
阪神大震災を忘れさせるほどの衝撃を与えた、
宗教団体の起こしたテロ事件である。
この問題の本質を、
本来なら、こうした時に、
深めておく機会だったのだろう。
改めて犠牲者のご冥福を祈りたい。
●千葉県で鳥インフルエンザ確認
3月19日、千葉県庁は、
高病原性鳥インフルエンザ(2例目)が
確認されたと発表した。
新型インフルエンザが日本社会を席巻した一昨年。
この時は、豚インフルエンザ。
これは弱毒性と分類されるウィルス。
パニックにはなったが、
大事には至らなかったのは記憶にあたらしい。
最近、厚生労働省が豚由来を「新型」と
呼ばないこととしたというニュースがあった。
つまり豚はそれほど心配することはない、ということである。
この豚由来と、鳥由来のウィルスの
危険性は比較にならない。
鳥由来が突然変異し、「新型」となる。
これは先ほどの新型とはわけが違う。
「強」毒性と分類される。
世界各国の事例を見る限り、
感染者の約6割が多臓器不全などで「死亡」している。
感染者の致死率「6割」である。
特徴。
高齢者など弱者が亡くなる季節性インフルエンザに比べ、
若い20代30代が感染し、
亡くなるケースがこの新型インフルエンザでは想定されている。
人体が経験した事のない未知のウィルスであり、
人の持つ免疫が過剰反応する。
そのため免疫力の高い若手のほうが、
生命の危機にさらされやすい、ということなのである。
これまで宮崎や大分などでも発見されていたが、
千葉県が余りに身近なため、
少し注意をしなければならないと考えたものである。
●米英軍のリビアへの攻撃
これは、非人道的な権力者による圧政で
生命の危機に瀕した方々を守るため、
国連のお墨付きを経た上での
軍事的な「人道的介入」が許されるかどうか、
という論点である。
私はイラク戦争のような
米軍単独の判断による軍事行動には批判的である。
しかし、今回のリビアへの攻撃は、
・リビアのひどい圧政
・国連の決議
という条件や環境が整った上でのものである。
であるならば私は否定できない。
以下、ある研修会で知ったこと。
1990年代。
ソ連崩壊に端を発し、
社会主義圏に押しこまれ封印されてきた
地域や宗教の紛争が頻発した時期。
ボスニア・ヘルツェゴビナで「コソボ紛争」が起きた。
この時、酷い殺戮やレイプが起きた。
それも大量に。
しかし、国際社会は介入を躊躇した。
軍事的な行動に慎重になったのだ。
その結果、多くの犠牲者がでた。
後にも禍根を残すほどである。
その被害者たちからは、
長らく「国際社会は自分たちを見捨てた」
との言葉が私たちに向けて発せられたのである。
第2次大戦を経て冷戦時代までの、
国の覇権を争うべく、
軍と軍が対峙する時代ではない。
冷戦後の国際社会において、
時代は変わった。
国連を基盤にして、
非人道的な逸脱行為をする権力者に対し、
国際社会が警察役としての軍事行使をすること。
この「人道的介入」を私は容認している。
ただし、それでも軍事行動には違いないから、
手放しにすることもよくはない。
国連を通じて軍事行為を容認した以上、
その行為に逸脱がないよう、
注視する義務も我々にはあるだろう。
リビア情勢には、今後も関心を割いていきたい。
以上。