• 「猫の手貸します」

60から54へ。
2月8日、私の所属する会派では、
議員定数を削減する内容の条例案を提出した。
この決断には時間を要したし、
議論を積み重ねてきた。
時に市民に痛みが伴う行政改革。
これを推進する立場に立つ私たちは、
自らの身を削る決断をした次第である。
事業仕分けが選挙向けのパフォーマンスでないことは、
この議員定数削減条例案の提出により、
裏付けられることだろう。
冷静に考えれば。
会派所属議員や民主党所属の新人議員たちを含めると、
各区で複数の議員が競合している。
定数が減れば、共倒れという可能性もある。
私自身、前回の選挙は最下位である。
「現職議員で最も厳しいのはあなただ」
何人もの業界通に言われている。
自らに選挙における厳しい結果も頭に浮かんでいる。
しかし決断した。
決断したからには、もはや揺るがない。
この実現のために議会内外で行動するのみである。
ところが…驚くことに!
この議案を本会議場に「上程させない」という方法で、
封じ込めようという動きが透けて見えてきた。
堂々と本会議にて議論をすればいい。
定数の削減に対する考えは、それぞれあるだろう。
ところが。
議案の議論の場すら設けない、
という愚行に出ようという勢力があるのだ。
それも議会の多数を占めている。
この条例。
法律的要件が整っている。
議長は速やかに議案を本会議に上程しなければならない。
もし上程されないということならば、
それをさせない判断をした議員たちは、
議員としての資質を問われることとなるだろう。
この議員定数の議案の取り扱いは、
議会が自らの改革ができるのか、
それとも現在の議会では困難なのか、
を物語る、何よりの指標となる。
そもそも54という数字を高らかに掲げ、
定数議論を先導してきた自民党。
何を消極的になっているのだ。
自民党所属市議19名(議長除く)。
そして私たち会派所属議員13名。
合計32名。
議会は多数決で
物事を決めるルールとなっている。
議員全体は63名(議長除く)。
63の過半数は…
32ではないか!
既に過半数を獲得している。
やればできる状況だ。
今すぐやればいい。
もし選挙前の手柄がほしいというなら、
私たちは、いつでも名前を譲る用意はある。
議案が提出され、
上程を目の前にしている状況下、
実現は、すぐ目の前にある。
製造物責任があるはずだ。
できないならできないなりに
説明責任を果たすべきだ。
まさか、「選挙前で時期を失している」
などという理由ではないと思われるが…。
なぜ上程させない、
という姑息な方法で葬むろうとするのか。
理解ができない。
上程の権限を持つ議長一人に、
この責任を負わせるのは酷だろう。
これまでの自民党。
「54にすべき」と繰り返してきた。
私はその証拠となる広報紙も手元に保存している。
一時、私は自民党の覚悟に対し、心より敬意を表していた。
ところが蓋を開けてみれば、
こういうことだったのか。
これが本気だったのか、
それとも選挙のための単なるパフォーマンスだったのか、
議案の取り扱いで自民党は問われることとなるだろう。
否決するのも苦しいのではないか。
あれだけ公言していたのだ。
その自民党に同調する公明党、共産党。
もし議案を上程させない、
という手法の自民党に同調したなら、
私は今後この任期が終了した後も、
忘れずに対応していく。
定数の考えはそれぞれだから、
それぞれで対応すればいい。
ただし表舞台でやろう、ということだ。
問題は議会における正当な手続きを、
都合の悪い議案については審議する土俵に乗せない、
という愚行である。
一度としてあってはならないことだ。
もしこの方法をとったならば、
全国的に注目を集めることとなるだろう。
今後、綺麗事は言わないことだ。
この2月議会の冒頭。
自民党、公明党、共産党は、
市長の改援隊マニフェストについて、
議会の改革に当たる部分を削除するよう
決議まで上げているのだ。
議会の改革は議会でやるから余計なことをするな、
ということだ。
心情的なものであれば理解できるが、
市長には政治家としての表現の自由があるから、
議会が言う筋合いのものではない。
これを私は、
「4月の選挙を意識した政局的な動き」
と断定した。
今回、私たちの提出した議案の上程云々の行方によっては、
それが政局的なものだったことが早くも議会で証明されるのだろう。
この議員定数削減条例は、
2月議会中に上程されなければ、
結局、任期満了のため廃案となり葬られることとなる。
「1月28日の説明会を終えたこの時期だから」
ということは否決する理由になるとしても、
上程させない理由にはならない。
このような結果になれば、
古い体質が未だ残されている象徴的な事例として、
後々まで取り上げられていくだろう。
名古屋現象がさいたまにまで波及する
きっかけとなるかもしれない。
ぜひこれからの議会に、
より一層注目して頂きたい。
最後に繰り返す。
私たちは自らの議席を失うかもしれない、
リスクを伴う道に踏み出す覚悟を決めた。
この覚悟は揺らぐことはない。
今後、その成立に向けて行動していくこととなる。
そのための障害物は断固として振り払う。
4月に選挙を控えたこの時期に、
あらゆる方法を尽くして市民に全てを伝えていく。
この件、今後も当ブログにおいても
継続して取り上げていきたい。