• 「猫の手貸します」

先日聞いた話。
知人によれば、
「ふるさと納税でさいたま市以外に納税する運動」
「外国に移住しその国に税金を納める運動」
こんなことを考えているという。
半分は本気だそうだ。
さいたま市における税金の使い道に
深い不信感を抱いたことが発端の思考であった。
今ほど「納税者」というキーワードに
重みがある時代はない。
経済のグローバル化の急速な流れから生じた
未曽有の経済危機に起因する財政危機。
国を揺るがし、将来に禍根を残す借金。
一方、少子高齢化、複雑多様化する社会。
それを背景とした行政需要の増大。
納税の義務を果たす納税者の役割は、
こんな時だからこそ大きくなる。
責任が重くなる分、
当然、相対的にその声も大きくなる。
昨今、「事業仕分け」が支持されるのも、
政治とカネの問題が致命的となるのも、
こうした納税者の声の比重が
大きくなってきたことが、
その要因だと考えられる。
これまでの納税者の声を、
私は、以下の通り受け止めている。
①納めた税金を良いことに使用してほしい。
 納税したお金は生きたお金として使用してほしい。 
 行政は一度予算がつくと、
 ずっと継続する性格がある。
 
 よく見てみると、
 役割を終えていたり、既得権化していたり。
 惰性で行われている役所の仕事に、
 納めた税金が支払われていることには
 納得がいかない。
 
 議会の監視力を強化し、役所の仕事を総点検して、
 無駄遣いをやめさせ、必要性の低い仕事は取りやめるべきだ。
 一方、児童虐待や介護、自立支援、見沼の保全・活用など、
 深刻で行政が行なうべき課題に公金や人材を集中するなど、
 徹底して見直すべきだ。
 また、企業誘致や実質的な起業支援など「稼ぐ」ことへの投資、
 将来の人材を育てるための人への投資など、
 将来を視野に入れた投資に大胆に踏み出すべきだ。
 そもそも丁寧な説明を受けて、
 税金の使い道に納得したい。
 それが納税の意欲を継続することにつながる。
②増税(負担増)の前にすべきことがある。
 参議院選時に菅首相の不用意な消費税発言に対し、
 国民的に支持されたのが、この言葉。
 負担増をお願いする立場の
 政治家や行政職員の、自らに関わる
 待遇の費用削減から始めること。
 そして、必要性が無くなったり
 薄くなった役所の仕事は、
 廃止、縮減を大胆に行なっていく。
 この方法として「事業仕分け」は使える道具だ。
 こうして内なる財源の確保に努める。
 そこまで努力して財源が足りないので、
 「応分の負担をお願いします」
 とするのが筋ではないか。
③自立し、税を負担したい。
 ワケあって現在納税者ではない人がいる。
 生活保護受給者でも、自立し、仕事をして、
 税金を納める立場に立ちたいと願っている。
 
 生活保護に至る前の早い段階での自立支援策、
 例えば住宅や就労の支援などに
 本腰を入れるべきだ。
 
 また、幼少時代からの貧困問題や、
 若者の就労、精神障害者への
 肌理細やかな対応などにも、
 積極的に取り組むべきだ。
 
 こうして潜在的な将来の生活困窮者を
 なくしていく努力を行なっていくべきだろう。
これらは議会のあり方、行政のあり方
にかかっている課題ばかりである。
以後、これまで以上に、
これら納税者の意向を形にするべく、
「納税者主義!!」を掲げ、私の取り組みの柱としたい。