• 変わらず ブレず 前へ 未来へ。

「請願」とは市民(国民)の権利である。
憲法に明記されている。
その請願権に基づき、
市民は議会に対し、請願書を提出し、
自らの意思表示をすることができる。
しかし、自分だけで提出することはできない。
議員による紹介、署名が必要とされる。
つまり請願の提出は、
紹介する議員がいて成り立つものだ。
その紹介議員の見識が問われることは言うまでもない。
今回。
自民党議員3名の紹介による請願が、
9月議会の終盤に提出された。
我々の実施する「事業仕分け」に対するものだ。
行政職員はこの仕分けに全く関与するな、
という内容である。
この提出までの経緯については、
すでにこのブログに記している。
その請願の審査が、
先週の金曜日、10月29日に行なわれたのだ。
まさか、であった。
まさか、議会内会派の行なう政務調査活動に、
行政職員が関与してはならない、
そんな趣旨の請願書が、賛成多数で可決されようとは。
各種の研修に職員が関与することを
みすみす否定するようなものだ。
議会や会派、議員の質を低下させかねない
今回の委員会全体の判断に、言葉を失っている。
この経緯について、詳しくは、
後ほど市議会HPでアップされる会議録を
お読みいただきたい。
ここでは、この時の論点を私なりに解釈し、
それに対する私の考えを述べたい。
私たちの仕分け作業に
職員が一切関与してはならない、とする理由。
まず最初の論点。
政務調査活動の域を超えている。
選挙のための活動である。
とのことだ。
どうしてこのような矮小化をするのだろう。
仮にそうであるならば、時期は、
もっと選挙の直前でもいいではないか。
なぜ今の時期の実施を持って選挙と関連付けるのだろう。
私たちの会派では、
昨年12月の「議会基本条例」の成立を受け、
議会の質の面の改革を志向してきた。
政策条例の策定、提案もこの文脈に位置する。
議会改革は制度面の改革、器の改革だけでは進まない。
質の面、政策立案や監視の面で
改革の時計の針を進めなければならない。
そんな想いで、年明けから、
仕分けの実施を目指して準備を積み重ねてきたものである。
一度は4月か5月の実施を目指したが、
余りに物理的に時間がなく、断念。
この頃、行政職員に初めて仕分けへの協力を打診している。
5月に会派での研修を行ない、
その際に模擬仕分けを行なった。
その後も、実施を模索するも、
6月議会終了後には、参議院選挙で困難。
8月は各議員が各種の用事を抱えて困難。
そうした流れで、
9月議会が終了してから実施する、
と時期を定めたものだ。
おのずと。
実施の時期は、10月後半から11月中旬の期間に限定される。
この期間中でもっとも都合のいい日が、
11月2日だったというわけだ。
これ以下でも以上でもない。
これが今回の実施日を設定した経緯だ。
こうして準備を積み重ねた最短の日であった。
選挙を意識して実施している、
などというのは、勘違いも甚だしい。
このような論拠を主張する人たちこそ、
逆に選挙を意識し過ぎているのではないか。
これを語るに落ちる、というのだろう。
チラシやはがきを撒いていることが問題だ、
との指摘も出た。
が、公開を前提とした仕分け作業に
参加を呼び掛ける広報活動は、
政務調査活動の一環である。
公開の場で正々堂々と、
公費の支出された事業に明確な判断をしていく。
こうした試みこそ、仕分けの醍醐味であり、
公開で厳しい市民の声もいただきながら、
監視の目を磨いていく機会となる。
そのための広報活動であリ市政に大きく還元できるだろう。
次の論点。
事業仕分けが、国と自治体で異なる、
それも議会の一会派による仕分けは、
制度的に異なるものであり、
市民に会派に決定権があるような誤解を与える、
だから職員は関与してはならない、
とする全く理解しがたい主張も提示された。
事業仕分けとは、
外部の目を入れて公開の場で、
これまで公費を投じて行なわれてきた事業を、
そもそも論で議論し、
仕分けていく作業である。
国であろうが、自治体の首長主導であろうが、
議会内会派の主催であろうが、
どれをとっても正式な決定の場ではない。
あくまで次の予算編成への
参考という位置づけのものである。
その点では、国も、自治体の首長主導も、
議会内会派主導も、どれも仕分け作業の本質は変わらない。
次の予算への反映の機会で初めて
仕分け作業の結果が、
どう反映されたかがようやくわかるものだ。
国と自治体の両者に、その違いがあり、
市民に誤解を与えるから、
職員が関与してはならない、
とする論拠の意味が全く理解できない。
すでに約100回も自治体で実施されてきている。
自治体議会の会派主催の仕分けも、
すでに2自治体で行われているというのに。
(京都府議会民主党府議団、横浜市会自民党横浜市議団)
他自治体からみれば、
今回の件は何とも不可解に見えるだろう。
仕分け実施への批判をしている勢力、
つまり今回の請願に賛成した議会内会派。
ここでは自民党、公明党、そして共産党である。
このうち共産党は、
事業仕分け自体を党ぐるみで
批判しているから最初から相容れない。
行政改革につながることがその批判の理由らしい。
これだけ公的機関の収入が減り、
一方で少子高齢化し、行政需要が伸びて支出が増える中、
行政改革なくして、
どのように自治体を持続的に運営していくつもりなのか。
あまりに無責任だと言わざるを得ない。
そして。
自民党、公明党はどうしたのか。
行政改革には一定の理解があったはずだ。
両党派とも、
仕分けには熱心だったはずではないか。
実際、過去に自治体議会内会派主催の仕分けは、
2つの事例があるが、
そのうちの横浜市会の実施の際は、
自民党市議団の主催なのである。
さいたま市議会においても、
最終的に試行的な実施に終わってしまった
行財政改革特別委員会の仕分けの試みにおいても、
自民党の議長、公明党の委員長の、
それぞれのリーダーシップと行動力があって、
そこまで到達したと記憶している。
事業仕分けに、
もし異論があるならば、
それは致し方ない。
確かに様々な議論があることは承知している。
ならば、別の方法をとればいいだけの話だ。
この手法を有力な行革のツールと考え、
今の時代に責任ある行政改革を行なうべく、
議会にいる者も責任の一端を負っていこう、
という姿勢を持って実施に向けて挑戦している私たちに対し、
それを邪魔することだけはやめてほしい。
会派は政策集団であり、
それぞれで切磋琢磨すればいいではないか。
事業仕分けが適切でないというならば、
独自の方法で責任ある行動をしていけばいい。
収入が減り、支出が増え、
これまで経験したことのない
経営手腕を求められる時代をどう乗り越えていくか。
私たち議員は、立場は異なっても、
この点を真剣に考え、発信し、行動していくべきだ。
こう考えると、
なぜ私たちに干渉するのか、
全く理解ができない。
こうした干渉こそ、
選挙を過度に意識した行為だと見受けられる。
私は、今回のこの請願の審査の経緯や、
その結果を忘れることはないだろう。
そしてこうした旧来型の議会運営を続ける勢力に対し、
今後も毅然とした態度を取っていく。
ともかく議会改革を急がねばならない。
そのためにも、今は仕分けをまずは
成功させることに全力を傾けたい。