• 「猫の手貸します」

ここのところ。
中国という国のマイナス面が露呈している、。
先日の尖閣諸島における漁船の一連の問題。
余りに独善的で高圧的であり、
世界各国から批判され、警戒された。
そして、劉暁波氏がノーベル平和賞を受賞。
早速、中国政府は受賞を国民に知らせないために、
国内で情報統制を行ない始め、
また、ノルウェー大使館に抗議したという。
劉氏が中国共産党への批判をし、
そのために獄中にいる。
その劉氏のノーベル賞受賞は、
中国政府の根本的問題を何より浮き彫りにした。
その後の対応を間違えるほど、
国際社会を向こうに回してしまうだろう。
経済成長の勢いがとどまらない一方、
国の基本的運営に難があることを
自ら露呈してしまったのだ。
自国の政府に批判的な主張を自由にできる社会こそ、
民主主義の成熟度の高い国なのであり、
中国はこの点では、
まだ大人の国とは言い難いのだろう。
ここで。
私はしかし、
中国という国の良き印象も持っている。
これまで4度中国を訪問した。
オリンピック前後の北京。
万博を控えた上海。
都市と農村が混在する石家荘。
親日本的な大連。
その都度、現地で誠実に生きる起業家や経営者、
友好協会の幹部や職員等にお会いしてきた。
お互いに行動を共にし、
お酒を酌み交わし、本音で話をする。
別れが惜しくなる人ばかりだった。
友好協会の幹部に、
丁寧に淹れていただいた中国茶の味。
静かな空間で机を囲み、
丹念に茶葉を洗いながら
独特の作法で小さな器に注がれていく。
その一連の所作が、お茶の味を引き立たせる。
この時の強い印象は今でも忘れられない。
今でも携帯電話一本で話のできる
中国人の友人もいる。
こうして草の根の交流が無数にあることから、
現在の中国政府が未成熟であっても、
中国とはうまく付き合っていける、
という確信を持っている。
中国は好むと好まざるとにかかわらず、
地理的な面から、
今後も隣人として付き合いをしていく国だ。
だからこそ、私たちは隣人として、
時に言うべき時に
苦言を呈することも躊躇してはならない。