• 「猫の手貸します」

尖閣問題。
すでに各種の報道がなされているし、
様々な方の発言も流れている。
私も同様、批判的な立場だ。
情けなく、失望している。あまりにふがいない。
けっして「強く出る」という意味ではない。
ましてや武力行使を容認するものではない。
私は石橋湛山の「小日本主義」的考えを
外交を考える上での自分の軸としたい。
今回の問題はシンプルな問題だ。
他国に領土を侵犯されたならば、
それに対して断固とした姿勢を示さなければならない、
ということだ。
つまりマイナスの状況をプラスマイナスゼロの状態にする、
そのための対応をするべきだった。
危惧されている通り、今回の件を先例として、
今後はますます中国籍の船が
日本の領土に侵入するケースが増えるだろう。
御墨付きを与えてしまった。
同様に、韓国との竹島問題にも波及すると予想される。
そして領土侵犯の事件が起こるたびに、
今回のケースが持ちだされることだろう。
なにより、中国周辺で同様のトラブルを
抱えている他国の人々をも、
失望させてしまったことだろう。
もちろん中国国内の様々な日本人への
影響を軽視してはいけないが、
それでもあまりに深い洞察のない、
軽率で責任感に欠けた対応だったと見える。
地検の判断にすべての責任を
かぶせようとしている菅政権。
もともと国全体に関わる外交問題であり、
単なる一地方検察局が担う違法行為事件に
とどまらないことは認識していたはずだ。
今回の問題。
①このまま拘留を継続して
中国と抜き差しならない関係になるか、
それとも
②今回のような
おおよそ国家としての意思の欠けた対応をとるか。
選択肢は、この二つしかなかったのか。
そうではないだろう。
まず大前提として、
歴史的な経緯として日本の領土であることは
間違いのないことなのだから、
まずは毅然とした態度をとるべきだった。
その上で。
以下のような対応が考えられたのではないか。
これはある有識者の方の意見を借りたものだ。
①国際法に則って徹底抗戦する
②第3者の中立国に関与してもらい解決を図る
③粛々と日本の法律に則って対応する
とくに②に注目したい。
外交の工夫により、
様々な解決方法を見出すことができるのではないか。
②はそれまでの他国との付き合い方による
積み重ねにより初めて可能となるものだから、
時間のかかることだ。
今後の、いざという時のために、
他国との友好関係を築いておくことも
念頭に置く必要があるだろう。
また、今後のことを考えると、
経済関係も含めて、中国との関係だけに依存するのではなく、
他の国々、インドなどと、関係を密にする方向性を
もって行動していくことも必要だろう。
道理に合わないことまで
あいまいな姿勢で飲み込みながら、
相手国に判断をゆだねてしまうような
自立心に欠けた政治的な姿勢を見るにつけ、
政権にとって大切な要素が
決定的に欠けていると厳しい指摘をせざるをえない。
余りにも大きな影響を後世に残してしまった。