• 「猫の手貸します」

見沼の問題を「自然の保全」と考えていた。
そしてそれだけを主に考えていた。

そんな自分の至らなさを反省した。

4月20日。
見沼田圃将来ビジョン特別委員会。

当委員会では、見沼地区内に土地をもつ
地権者の方々13人が参考人として
それぞれの思いを発言をした。

「行政は三原則など規制するけど
 地権者の声を聞いていない」

そんな声が出てきた。

地権者の思い。

特に多くの地権者とは「農業従事者」だ。

遊水地としての位置づけで
高度成長期の開発を逃れてきた見沼地域。

単純に、遊水機能と農業が
両立することに何の疑いもなかった。

しかし。

「遊水地での農業の継続は無理だ」
農家のある参考人は、言う。

つまり。

畑の作物が育っても収穫前に水が流れて来るならば、
その洪水で来た水が冠水した場合、
よほど対応できるサトイモのような
作物以外はダメになってしまう。

こんな地権者の本音を聞く機会となった。

もちろん。

話を聞いた上でも、
見沼の「保全」は譲れない点だ。

関東近辺特有の広大な自然地帯。
短期間にできるものではない。

この地域はできる限りそのまま保全することに
エネルギーを注ぐのが
今後の進む道であることに間違いはない。

ただ、土地の大部分を地権者が持っている中、
その人たちの声には真摯に耳を傾け、
大いに本音を共有するプロセスが必要だ。

自然の保全の仕方も様々な方法が見えてくるだろう。

現に委員会の中でも、
地権者の声はさまざまで、
農業は跡継ぎもおらず継続は無理だ、
という人もいれば、
農業を何とか続けていきたい、
やり方を考えれば農業でも独立できる、
そんな人もいた。

見沼は今後、保全から「活用」「創造」の時代に入っていく。

その方向に確実に進んでいくためには、
今回の特別委員会のような場で侃々諤々の意見が
出し尽くされ、物事が動いていくことが望ましい。

見沼の今後にとって、
このプロセスは不可欠なことだろう。

その意味では、
今回の委員会の参考人方の意見聴取の機会、
見沼の大事な側面が見えた大変有意義な時間であった。


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