• 「猫の手貸します」

残り一年。

5月になると、「あと一年」となる。

この「一年」には二つの意味を込めている。

まずは市議会議員としての任期があと一年。

4年間任せられている任期も
いよいよ最終年に入る。

任期のスタートが2007年5月1日だから、
本当にあと一年だ。

その一年間には、
これまでにも増して、
新しい議会作りへの傾注もあるだろう。

市長選の余波は国政の動きとも連動し、
ますます議会の運営は混乱し、
先が見えにくい状況となるだろう。

来年の4月には市議会議員選挙の改選期を迎える。
もし立候補するならば、
この準備もこの一年間に凝縮される。

ところで。

私はまだ、正式に立候補することを表明していない。

過去の選挙とも、自分の力量とやる気、
自分の存在が本当に貢献に値するのか、
そんなことを自問自答しながら、
最終的な決断に至っている。

議員という立場は、安易なものではない。

議会に対する世論は、
年を追うごとにますます厳しくなっている。

歓迎すべきことだが、
議員の役割も大きく変わってきた。

特にこうした変化の激しい時期に、
その重要性はますます高まっている。

議会が「決定」する際に、
行政には依存しない方向性が見えてきた。
議会は自立の道を歩み始めた。

しかし、その流れに位置する
自分の肩にのしかかる責任の重さは、
想像以上であった。

この渦中で地に足をつけて活動していくことは、
それこそ、自分の議員生活でも経験していない領域であり、
これを次の4年間継続できるだけの
自分の想いや情熱が存在するのかどうか。

そんなことを自分自答しなければならない。

その気持ちを確信できた時に、
自分の決意表明の段階がくるのだろう。

もう一つ。

もう一つの「残り一年」とは、
実は5月の誕生日を持って39歳となる。

つまり30代が「残り一年」ということである。

これまでどちらかといえば、
自分の年齢が過ぎていくことに冷めていた自分だが、
この30代と40代の違いは少し感覚的に異なっている。

平均寿命からいっても、
40歳というのは、
人生の後半戦のスタートを意味している。

これまで本当に好きなことをしてきた。
周りの多くの方々の支援があってやってこられた。
改めて感謝するしだいだ。

この私の人生の前半戦は、
ほとんど「自分のため」に費やしてきたものだった。

もちろん人のためになりたいという欲求は、
議員になる動機でもあったし、
自ら自我に目覚めた若輩者の頃から、
他者へ貢献意欲はあった。

しかし。

どこかに「まず自分」というものが、
これまではあった。

尊敬する方々を見ると、
驚くほど他者を育て、
後世の社会に貢献している。

私に人が育てられるかは定かではないが、
40歳からの後半戦は、
そんな後世への貢献も視野に入れなければならないと、
うっすらではあるが、自覚している。

だから、あと一年は。

30代の残りのこの一年は、
もうしばらく私自身の好きにやらせて欲しい。

わがままな自分の言うことを聞いてほしい。

そんなことを、もう一人の自分に言い聞かせている。