• 「猫の手貸します」

本日より、一週間イギリスに渡り、
自治体の取り組みや現状、今後への
考え方などを視察してくる。

今回は「公務」という位置づけでの訪問である。

以下、主なスケジュールと、
その内容、さいたま市への還元について記したい。

3月28日●ルイース市

ロンドンの南側に位置する都市。
ここに住む大ロンドン市の幹部職員のアテンドにより、
市長ほか行政幹部との面会、
市内視察見学などを予定している。

【内容】
ロンドンのベッドタウン的なまちであり、
東京に対するさいたま市の位置づけに似ていることから、
大都市近隣都市の運営や
その都市の基本的考え方などを把握する。
大都市近郊都市のあり方などを見えてくると思われる。

おもに、ロンドンの周辺としての住宅環境政策
世界同時不況における経済対策
パリッシュとしての議会のあり方・運営・潮流
などを調査してきたい。

3月29日●ブライトン市

ロンドンから南方向、海岸沿いに位置する都市。
古くは貴族の保養地として開かれたこの都市は、
保守党の党大会が開かれるなど、
形を変えて運営を行なっている。
市長ほか幹部との面会・施設見学などを予定している。

【内容】
観光都市の経済振興策
とくに世界同時不況の影響に対する対応
議会の運営について、
●議会と執行権との関わり(首長を議会から選出する)
●基礎自治体における政党活動と議員活動
●議員の政策立案
●シンクタンクと議会の関わり(議会の外部機関活用)
●政治家の日常活動
●議会人事へのこだわり。人事権は誰にあるか。
●議会活動の外部評価
などについて聞く。

こちらもロンドンのベッドタウン的要素があるため、
さいたま市におかれた環境が似ている。
その都市の議会の運営方法なども
大いに参考となると思われる。

3月30日●ウェリン

E.ハワードが構想し実現した
2つの田園都市のうちの一つ。
第1号都市のレッチワースは、
日本でも関連書籍が多数でているなど、
相当に紹介されている。
しかし、ウェリンはなかなかベールに包まれている。

昨夏に訪問(このときは私的視察)した際、
緑に包まれた閑静な住宅街の印象を強く持った。

E.ハワードは1900年代初頭のロンドンにおいて、
劣悪な環境の中で生活を
余儀なくされる人々の救済を念頭に、
田園都市を構想した。
職住接近や緑や公園を配置するなど
良好な生活環境の実現などがテーマであった。

ウェリン誕生から約90年。
驚くべきはいまだ、
このまちは少しづつ姿を変えながら、
運営され続けているという点だ。

理想都市の現在までの推移や今後の方向性などの話を、
●政治家
●専門家(図書館勤務の公務員)
●自治会会長
等に話を聞きながら、
深めていきたい。

この都市はまさに、さいたま市のおかれた環境の、
その改善のヒントを持つ都市だと言える。

【内容】
緑・公園の配置
人間らしい生活には何が必要か
資産を保有する富裕層の高齢者が、
定年退職し、家に住むケースが多いそうだ。
高齢化社会の先取りをしているとも言えるこのまちの
高齢者福祉政策をそれぞれの立場の方に聞く。
これまでの都市の運営
(誰がどのように負担し、誰がお金の使い道を決めるか)
議会の議員の選出方法、運営の仕方
理想と市の課題とその解決に向けて
などが調査項目である。

3月31日●東京電力ロンドン支所

東京電力では、
ニューヨークとロンドンに支所を持っている
そのロンドン支所勤務の社員に話を聞く。

【内容】
EUのCO2対策など、環境政策について聞く。
また、次世代送信網とうたわれる
「スマートグリット」の話も聞く。
特に政府レベルだけではなく、
自治体単位の動向などを聞き、
さいたま市に還元する。
EUで効果の上がっている
政策とあがっていない政策は何か、
そんな視点で調査をしたい。

4月1日●ロンドン市内スラム街

ロンドンには複数のスラム街が存在する。
そのロンドンの貧困対策の現状を現地視察する。

【内容】
ロンドンの貧困対策として、
どんな対策がとられているか。
住宅問題はどのように解決を模索しているか。
セーフティネットから転換した
「トランポリン」型の自立支援策は機能しているのか。
世界同時不況下で貧困層の変化は?増えているか。
そんなことを調査してきたい。

4月1日●三菱地所

三菱地所ロンドン事務所の関係者から
ヒアリングするとともに、
再開発の現場を現地視察する。

【内容】
ロンドンの新名所として期待の高い
「セントラル・セント・ジャイルス」の再開発を中心に、
ロンドンにおける再開発の進め方や、
進める際の特徴、困難なこと、
実際の効果や実績、
日本の企業からみたロンドンと日本の再開発の制度的差異、
など、開発を進める当事者の話を聞く。

上記以外にも、
それぞれのお会いする方々に
●5月6日総選挙について
●リーマンショック以降の経済危機
●イギリスにとっての自治とは何か
●政府の大きさ、自治体に期待すること
などについても随時聞きたい。

視察後の報告は詳細に行なうとともに、
得てきたことを随時さいたま市政に還元していく。

費用も明確にし、
できる限り低額の費用で
実施した視察であることを示したい。