• 「猫の手貸します」

4beb796b.jpg写真は浦和駅東口のロータリー入口付近。中央の建物は地下駐車場の排気塔ですが、その手前にご注目ください。バスの待合スペースの屋根です。シンプルでオシャレな造りであり、新設の東口の雰囲気に合致しています。さいたま市の景観賞にも選ばれたそうです。

ところで。

この屋根の設置費用。これを誰が出したかご存知でしょうか。さいたま市ではありません。つまり税金からの支出ではありません。かといって、バス会社でもありませんバス会社はむしろ行政にその設置を申し入れるほどですから。
では、誰か?

実はmcドゥコーという会社なのです。この会社は三菱グループの会社とフランスのjcドゥコウ社の合弁でできた会社です。この会社が設置費用も、屋根の代金も持っているのです。

といって、慈善事業でやっているというものではありません。事業として展開しています。その事業展開はたいへんユニークなものです。

公共に必要なものなのに、なかなか改修や建て替えの費用が捻出できないものが多々あります。当社はこのうちバスの屋根に視点を定めました。老朽化し安全性の課題もあり、デザイン的にも見劣りする屋根。機能性のみで存在しているという状況でした。その新規設置を、デザイン性を加味して無償で提供するという事業です。

ではこの会社は何を狙いとしているのか。何で収益を得ているのか。広告収入なのです。

ニューヨーク。ロンドン。パリ。ブリュッセル。そして国内の各都市。歩いてみると、オシャレな形をした広告板、いや、広告の建造物とでもいいましょうか、これをご覧になった方は多数いらっしゃると思います。よく考えますと、この広告板、公共の場にあるのです。

公共財を無償で提供する。そのかわり公共スペースの一部を借り、そこに広告を出す。その広告主から広告の費用を受け取る。つまり広告収入を収入源としています。

さいたま市も財政不確実時代に突入し、その先には高齢化が待ち構えています。それを背景に、公共財のメンテナンスは重大な課題でありながら遅々としてすみません。この傾向はますます顕著となることでしょう。

このバス屋根のような方法も、今後の市政を運営するには、有効な手法だとかんがえています。