• 変わらず ブレず 前へ 未来へ。

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美唄市はもともと炭鉱のまちだった。「炭鉱」と聞くと夕張が頭に浮かぶ。その通り、やはり過疎化が進み、静かな自然のまちという印象だった。しかし、この地の最盛期には、炭鉱住宅群が密集し、それはそれは活気のあるまちだったようだ。小学校も1200人の子どもたちが通っていたという。

その小学校、栄え小学校と呼ばれていた。炭鉱が閉山した1972年からさらに9年を経た1981年、廃校となった。しばらくは地域の住民に体育館などとして活用されていたが、それも過疎化で利用されなくなっていく。斜陽の町の悲哀を聞く思いだ。

ところが、その小学区の跡地に光が注がれる。美唄出身の彫刻家・安田侃さんと美唄市が、共同で芸施術交流施設を立ち上げる。周辺の緑豊かな自然を背景とし、1992年にオープン。

当時の体育館や校舎をそのまま残し、整備してある中に、安田さんの作品がいたるところに展示されている。大理石やブロンズで作られているが、観覧者は見るだけではなく、触ることができる。

静かで広大な自然環境。作品は、その自然の中にもいたるところに点在している。自然の中にポツリとたたずむ古い建物もまた作品のようだ。2007年には喫茶室の横に体験工房をオープン。ここでは安田氏が直接講師となって「心を彫る授業」と題し、創作活動も行なわれている。

過疎の進むまちで粛々と地道に行われる芸術のまちづくり。さいたま市との規模は異なるが、身の丈に合わせた事業推進や特定の作家と共同で進める手法は、注目している。ぜひプライベートで訪問したいと思う場所である。