• 「猫の手貸します」

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今回の視察でも最大の収穫といっていいが、印象に残ったのは、子どもの権利条例を実現するための要である「子どもアシストセンター」である。この期間は救済機関として位置づけられ、子どもからの相談を受け付け、他の期間とも連携し、時に自ら解決のために行動する期間である。

子ども関係の相談機関は各種ある。たとえば虐待に関する「児童相談所」や、教育に関する「教育相談所」。各種の相談機能は、法律で定められて設置されたものや民間が独自に行なっているものが多数を占める。ともすれば、タテワリで子どもにとっては、認知されていないなど利用に限度があった。

私の認識では、アシストセンターは、これら相談機能の窓口を一元化するワンストップの意味を有していると思われ、札幌市民にとって、特に子どもたちにとって、使い勝手のいいものとなっていると考えられる。

悩みを抱えている子どもには、相談内容別に相談する機関を探す余裕はない。とにかく一本の電話・メールアドレス。ここに電話が来れば、まず話を親身に聞いてくれる大人がいる。そして寄り添ってくれる。最後には悩みを解決する手伝いをしてくれる。

私は特に児童相談所との役割分担で意義があると考えた。児童相談所は今、児童虐待が増加し、複雑多様化することで、現場の児童福祉司が過酷な仕事を余儀なくされている。これを緩和する意味でも、まずはその前段階でアシストセンターに連絡が入るならば、児童相談所は虐待に特化した行動が取れるのではないか。アシストセンターの可能性は高いと実感した。

昨年に比べて相談件数が急増しているのが気になるところで、現在の組織体制で対応できるのか、の懸念が残るが、現状は対応できているとの話であった。

このような機関は子育てを大切に知る始点から、さいたま市にも作ったらいいと考える。ともかく子どもの相談機能をワンストップ化し、既設の相談機関と連携を密にとり、子どもの抱える課題の解消に踏み出すことに意義がある。