• 「猫の手貸します」

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2日目はまず、大通りバスセンタービルにて、
以下の項目について視察した。

1.札幌市子どもの最善の利益を実現するための権利条例について
2.「ミニさっぽろ」について
3.札幌市議会「民主党市民連合」所属議員との懇談
4.モエレ沼公園視察

以下、その概要について。

1.札幌市子どもの最善の利益を実現するための権利条例について

当条例は「子どもの権利条約」に基づき、子どもにとって大切な権利やそれを保障するための大人の役割などを定めるもの。「2003年7月のさっぽろ元気ビジョン」からはじまる。検討委員会が発足し、議会で「否決」→「再提出」→「継続」→「可決」という変遷をたどった上で、今年の4月から施行されている。2003年の上田市長誕生に連なる政局的な側面も持ち合わせていた。

この条例では、「安心して生きる権利」や「自分らしく生きる権利」を具体的に明記し、子どもの権利保障を強く打ち出している。特筆すべきは、これら条例の理念の実現や明記されている事項を保障するために、「救済機関」を新設したことだ。これについては、事項で述べる。

これらの条例化やその先の札幌市の努力は、「子ども総合条例」を作るとマニフェストで明言している清水姿勢に大いに参考となるだろう。

2.「ミニさっぽろ」について

札幌市はミュンヘン市と姉妹都市であり、その取組である「ミニミュンヘン」を参考にして、「ミニさっぽろ」を開催している。今年の10月に4回目を迎えた。

簡単に言えば、広大なスペースに仮想の「小さな都市」をつくり、それを子どもたちだけで運営する、という試みである。とはいっても、遊びの要素がつ置く、子どもたちは心から喜んで参加している。

公共機関や銀行はもちろん、ガソリンスタンドや飲食店などそれぞれあり、子どもたちがそれぞれの場所で仕事をする。そこで得た給料で、そのまちで買い物をする…。そんなやり取りがなされる。これを通じて、子どもたちは「働く楽しみや給料を得る喜び」「社会参加の充実感」を味わえる。親は一定の枠内でしか動けない。子どもに付き添うことはできず、子どもは自分で行動する。

「ミニさっぽろ」は「ミニミュンヘン」をモデルにしているが、様々な点で異なる。まず、対象は小学校3年生・4年生。2日間開催。1000円のチケットを購入して参加する。札幌市では運営は行政が主導し、各種企業に協力をしてもらっている。

今年は、2日間で約3000人参加。一日1500人が限度であり、チケットは即日完売するという。スタッフは2日間のべ728名。行政の各所管の職員や民間企業の社員が無償のボランティアで協力している。銀行員や警備会社などの社員は直接子どもたちに仕事内容を伝えている。某有名デパートのスイーツ店の職人が来て職業体験するコーナーは満員だったという。

現在は行政が主導しているが、今後は民間企業を巻き込んで民間に任せていく方向だそうだ。イメージとしては、「キッザニア」のイメージにも重なる。子どもたちにとっては、自治的観点や職業体験、世代・地域を越えて他の人とふれあうことなど、様々な意義が見出される。