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会派視察の一日目。
この日は5項目にわたって
札幌市職員から話を聞いた。

視察項目は、
1.「創造都市さっぽろ」の取組について
2.景観等に配慮したまちづくりに係る取組について
3.職員の天下りについて
4.情報公開の取組について
5.過去5年間に制定・改正された
 議員提出の政策条例について(資料提供のみ)

である。

以下、主な点について簡単に記したい。

1.「創造都市さっぽろ」の取組について

私たちの会派では、「クリエイティブシティ」をさいたま市に適用すべく、この間様々な調査をしてきている。埼玉大学の後藤教授に話を聞き、国内でも有数の横浜市を視察した。今回の札幌市もその一環である。

2003年に当選した上田文雄市長のトップダウンで取組が始まった。もともとは「経済局」が「経済振興」の観点から所管していたのが、このテーマだった。しかし上田市長は「部局横断」的に全庁的な取組を進めている。

札幌市の担当職員の話を聞き、現状はまだ始まったばかり、という印象を持った。この取組に欠かせない視点は、「創造都市を作って何がしたいのか」の「何が」の部分、つまり目的は何か、である。この点がまだ明確ではないために、まだ、さっぽろの取組は勢いづいていないようだ。

総じて、行政の取組には「成果指標」が求められている。その指標が現在明確には存在していないのだ。たとえば、創造都市を作ることで「芸術家を増やす」のか、観光客に来てもらって「経済を振興する」のか、それとも市民を活性化することなのか。どこに的を絞るのかでこの取組のその後の命運が決まっていくようだ。横浜市は「都心部の活性化」を目的としており、それが明確であるために、取組が進んでいるということとなる。これは、庁内的にも、混乱を招きかねない。文化に重きを置くのか、経済なのか、まちづくりなのか…成果指標がないと、予算や職員をどう配分するのか、その点に大きな影響を与えることとなる。

この点は重要な視点であり、さいたま市に応用する際には欠かせない。清水さいたま市長はマニフェストで「文化創造都市条例」の策定をうたっている。これが進められるに当たり、議会サイドとしては、さいたま市にとって何が今必要とされているのか、そしてどんな応用の仕方が好ましいのかをチェックしていかねばならない。

2.景観等に配慮したまちづくりに係る取組について

札幌市の景観に関する取組の歴史は古い。1981年に景観委員会がおかれ、景観賞を創設。今年は31回目を迎えている。2004年に景観法ができると、それに伴い警官行政の取組は勢いを増した。

景観への取組は全国で同様に進められ、重点指定区域の指定による規制や支援を行なうなどしている。札幌の特筆すべき取組は、「札幌の景観色70色」を定めている点。専門家の調査屋市民の意見により、札幌市の色を70色に限定。これを札幌全体に統一していく試みだ。

たとえば、都心部にある銀行やコンビニの看板。派手な色をしているものを、この70色からの適用を求める。すると、通常の看板とは異なる色の看板が誕生することとなる。また、電気量販店の店の壁も、派手な色を一部に限定し、白い壁に変えてもらう。こうした形で札幌のまちの色が統一されていく試みである。

要綱での適用なので、企業には「協力のお願い」をするにとどまっている。ここに強制力を発揮しにくい点が、札幌の都心部を歩いていると、まだまだその取組が「少しづつ」進んでいる印象につながっている。つまり都心部は派手な看板がそこかしこに点在しているのだ。

ただ、こうした第一歩を踏み出した点は、すばらしい。ここ数年、大学院関係者と海外に視察に行くが、ニューヨークでも、ロンドンでも、大都市には、大都市なりの色がある。日本の都市も色を出していく必要がある。浦和・大宮駅周辺を中心に、さいたまの取組にも大いに応用できる話を聞くことができた。

3.職員の天下り禁止について

私にとって最も関心の高かったのが、この取組。正式には「再就職の規制」ということとなろう。札幌市では、退職した行政職員が、外郭団体や民間企業に再就職をする際には、一定の規制を設けている。「5年間」は「営業活動」を禁止する。外郭団体の再就職者は「再任用」の扱いとする。退職金は支払わない…。

札幌のこの取組は、昨年10月に公正取引委員会から「下水道処理の官製談合」を指摘されたことから始まった。この起こりうる余地をなくすための一つの方法として、職員の再就職のルールを定めたものだ。

談合と職員再就職との関係は次の通り。職員OBがある企業に就職する。そのOBは、以前の担当部署の後輩に連絡をする。後輩は先輩との人間関係から、予定価格など重要な情報を聞き出す…。これを防ぐため、再就職職員の就職先を公表するとともに、5年間は営業活動を禁止する厳しいルールを作った。それを破ると、企業自体が登録からはずされる。企業は、うまみがなくなるどころかリスクをともなうため、昨年24人いた民間企業への再就職者は、今年8人まで激減したという。外郭団体も報酬限度額を定めるなどして、56人いた再就職者が28人に減ったという。

ただ、「要綱」による内規でのルール化のため、「お願い」「協力」のレベルでとどまっている。これは憲法の職業選択の自由への抵触を懸念してのもの。判例を参考にしているとのこと。条例化などより厳しいルール化については、現在の新政権が「天下り禁止」を打ち出し、制度整備をすることから、その動向を見守るとのこと。

また、いい人材の社会での活躍、という視点で見たときには、その可能性を失わせることにもなる。札幌では、市民の視点に立って厳しいルール化に踏み出したが、検討の余地はあるだろう。問題は「行政職員という立場があるから再就職が有利になる」ことであり、各種の資格を持っているなど人材として質の高い元職員が活躍する仕組みづくりは視野に入れておかなければならない。

いずれにしても、札幌市はかなり積極的に進めていることを知った。さいたま市では、まずは退職職員の再就職先の公表からはじめるべきだと考えている。これについては、近いうちに何らかの形で取組たい。

4.情報公開の取組について

札幌市は市民オンブズマンの情報公開ランキングにおいて、政令市では1位となった。もともと上位に位置していた。清水さいたま市長は「情報公開日本一」を目指している。札幌の取組は参考となると考え職員から話を聞いたものだ。

担当者は、「市民オンブズマンの調査は、あくまで一部に限定されているものであり、あまり振り回されないようにしないと」としながらも、不断の取組について述べた。特に情報公開法ができた際には、条例を大きく見直す作業に入っている。

さいたま市も、どの自治体にも負けない積極的な情報公開先進自治体を目指すべきだ。

 

一日目の主な概要は以上。