• 変わらず ブレず 前へ 未来へ。

衆院選や高校野球に隠れがちだが、
さいたま市所有の盆栽の枯死の件は、
徐々に深刻な問題であることが認知されてきた。

7月中旬。

さいたま市所有の盆栽のうち
『靖国』が枯死したと行政職員より報告があった。

樹齢800年。

来年3月末に開館予定の「盆栽美術館」に
展示される予定だった盆栽である。

これを私たちの世代で、
枯死させてしまったのである。

現時点まで、市所有の盆栽のうち、
全部で5鉢に症状が確認されている。
早急に他の盆栽も含め調査が必要である。

『靖国』(評価額1700万円)…枯死。
『真柏』(1600万円)『五葉松』(1200万円)…99%蘇生は困難。
『獅子頭もみじ』(400万円)『黒松』(2000万円)…養生中

このような現状だ。

現在、高度な調査技術をもつ研究所に調査を依頼し、
真相の究明のための調査をしている段階である。

この結果は早ければ8月中旬に示されるという。

この盆栽枯死の問題。

議員の一人として、
そして盆栽を所管する市民生活委員会委員長として、
大きな責任を痛感している。

それ以上に、
盆栽をさいたま市固有の文化として
重んじてきた立場として、
憤りを禁じ得ない。

ただし。

ここは感情に任せて動くことは禁物だ。

大切なのは
●何が起きたのか正確な真相の究明
●責任の所在の明確化
●しかるべき責任の取り方の明確化
●再発防止策の明示

これらを市民に示すことである。

そして今一度、
盆栽への理解を求めることが大切だ。

現在まで、市長はじめ、
担当職員は事態の収集を進め、
説明に随時対応している。

情報はすべてオープンにしていこう、
という誠意を感じている。

ピンチはチャンスとも言う。
関係者には、過去に固執せず、
未来を見て現在に対応してほしい。

議会として。
議会も大きな責任がある。

これまで。

議会全体の取り組みとして。

本日(7月31日)、
文化振興議員連盟にて、
市長・市民局長・担当職員らから報告等があり、
質疑をした。

市民生活委員会として。

7月24日に盆栽村を訪問。
当該盆栽を目視し、
職員から経過説明を受けた。
また質疑も行なった。

今はこの段階である。

それにしても。

枯死。

こんなことはあってはならないことだ。

「盆栽購入の5億円は無駄遣い」
「美術館は無駄な箱モノだ」
そんな意見を助長することとなる恐れがある。

数年前、高木美術館で初めて盆栽を目にした。
衝撃を受けた。

1000年、800年といった樹齢の盆栽の数々。

一世代では終わらない、
この生きた芸術品の尊さ。

樹木という生き物。

人の手をかけて、
ようやくその生命を継続できる。

それを何世代にもわたって継続してきた。

説明する職人は言った。
「私たちはお預かりしているのです」
「そして次の世代に受け渡すのです」

さいたま市にも、
こうして後世に受け渡すに足る
文化があるのだ、
と誇りに思った次第だ。

言うまでもないが、
盆栽村は関東大震災で被災した職人たちが、
文京区などから移住してできた由緒ある地域だ。

前の世代が次の世代に
様々なものを受け渡していく。
これは人間の本質であり、
盆栽こそ、それを象徴する存在ではなかったか。

私は、議員という公人の立場だけではなく、
盆栽を尊重し、誇りに思う立場も兼ね合わせて、
今回の問題に関わっていきたい。

「なぜ正式な議会や委員会を開かないのだ」
そんな声を耳にする。

確かに。

現在まで、委員会視察も、
議会での報告も、
どちらも任意な場での
行政職員による報告に終始している。

しかし。

報道機関には、
議員と行政職員とのやり取りを一部始終公開し、
実質的な行政の説明や
議員の質疑の場を透明化している。

会議録には残らないかもしれない。

だから50年後、100年後のこの地の人々には、
この7月の時点での出来事を
議会を通じては知らせられないかもしれない。

が、今を生きる市民の皆さんには、
すべてとはいわないまでも、
報道を通じて、
情報を一定程度提供できると確信している。

行政職員には、
調査結果の出ていない現時点において、
議会への過度な対応に時間やエネルギーを割くよりも、
内部で真相の究明や
再発防止策、責任の取り方などに
最大限時間を割いてほしい。

この点は欠かすことのできない点だ。
そして、それが最もさいたま市民のためともなる。

そんな思いから、
議長との相談のうえで、
これまでのような対応をしてきている。

議会はメンツにこだわるよりも、
実質的な市民への情報公開機関となり、
行政のチェック機関となるべきだ。

今、功をあせって
市民向けのパフォーマンスに走るよりも、
調査結果の出た後の9月定例会でこそ、
議会が真の力を発揮する場だと考えている。

私たち議員は、
そのための準備をじっくり進めるべきだ。

この点は、多くの議員と共通の思いだろう。

今回の問題の解決には、
●市民の税金により購入した
 財産管理への行政職員の姿勢への視点
●外郭団体の文化振興事業団の管理の姿勢への視点
●専門知識を持った盆栽園に対する
 チェック体制の確立への視点

など正確な事実の積み重ねや
高度な専門知識を必要としている。

ということで。

今は、8月中旬の調査結果を待ちたい。

そして9月定例会こそ、
本格的なこの問題への取り組みの場としたい。

その際は、できる限りオープンにし、
市民の信頼回復と理解を得るための
説明責任を徹底して果たしていきたい。

次の世代に、
確実に受け渡す責任が、
私たちにはある。