• 「猫の手貸します」

【本会議初日(17日)】

●早朝に会派会議。市長が変わり、市長選の余韻の漂う中、様々な事態が想定されることもあって、通常より早い時間に会議を持つ。案の定、この2日間の議会では、予測困難な事態が次々に起きた。

●予定外の議会運営委員(議運)が開催される。突如、日程の変更が議長から提案された。「市長あいさつ」を通常の早い順番から遅らせ、議案質疑後に行なわせる、という提案。すでに6日前の議運で決めたはずの日程。それを変えるのは尋常ではない。議運では、私たちの会派の議運メンバーらが、通常の運営を求めるなど主張し、議論が紛糾したが、おおむね賛成の空気で押し流され、決定された。

●遅れて本会議開会。まずは全員協議会(任意の位置づけの会議)。新型インフルエンザについて、市内在住者に感染者が確認された件が報告される。よりによって激動の議会の開会日に…。新人事などの職員紹介がなどののち、いよいよ本会議が始まった。議案の上程がなされ、執行部の議案説明。議案質疑の受付のため休憩。

●この休憩は、お昼にかかるため、再開は13時だと思われた。休憩中は会派の控室で控えている。昼食をとったり、議会運営に備えたりしている。市長がマニフェストに掲げ、満を持して提出した「多選自粛条例」「市長退職金の半額減の条例」に対し、一部会派が対案を提出するのではないか、という憶測が広がる。13時を回っても午後の本会議が、一向に開会されない。そのうち、「議運の委員が開会の申し入れを行なったらどうか」という声も上がった。結局、14時過ぎに再開の放送が入る。

●どうやら、複数会派の間で、対案を提出するかどうかの議論をしていたようだ。我が会派では、対案が出た場合のあらゆる準備を行なっていた。多選自粛にしても、退職手当にしても、市長が選挙で掲げたことはもちろんのこと、法的に何ら問題はなく、反対や対案の余地はないとの認識でいた。対案に対して充分に対応できるよう各種の見識を持つ方に連絡を取って準備をしていた。結局、対案は出てこなかった。

●14時過ぎに本会議再開。議案質疑では、複数の会派から、「多選自粛条例」「市長退職金の半額減の条例」の議案について、質疑が集中した。私も多選自粛について質疑した。質疑は3本。「①なぜこの6月議会に提案したのか。②なぜ条例議案として提出したのか。③憲法や他の法律に抵触しないか」。いくら市長選で応援したからといって、事前調整は一切無し。市長は、私の質疑も含め、自ら登壇し、明快に答えていた。本会議でのやり取りは、議会録画中継をご参照いただきたい。

さいたま市議会HP

●質疑後に「市長あいさつ」があった。この内容をめぐり、議長が「発言中に、いくつかの問題がある」として、議運の開催のため休憩を宣告。市長はマニフェストの内容を織り交ぜてあいさつとして述べた。約30分。この取り扱いについて、議長には不満があったようだ。

●その後開会された議運では、「あいさつ」が、政策を反映した「所信表明」になっていたことが問題だ、と指摘された。つまり政策的なことは織り交ぜない約束となっていた、というのだ。この間、新市長と議長の間で、6月議会では「あいさつ」にとどめるよう要請があり、それを市長サイドは受け入れなかった、というやり取りが披露された。もし所信表明なら議会は代表質問という格の高い方法で対応する。そんなことが念頭にあったようだ。結局、今回は一般質問であり、必要に応じて、その枠を少し拡大する方向で対応することとなった。市長も毅然とした態度で対応しているようだ。

●議会再開。予定では、とうに終わっているはずの初日本会議は、夕方、「永年勤続議員の表彰」と「常任委員長の報告」をもって終了した。

●ちなみに、永年勤続議員の表彰は、慣例的に行なわれているもの。今回、何人かの方は辞退している。私は2年後に、その対象の「10年目」を迎えるが、もし表彰を受ける資格が生じても、自らの考えにより、辞退するつもりだ。ただ、これは議員それぞれの考えで判断すべきと考える。表彰を受けることが、必ずしもいけないことだとは思わない。私自身がどう考えるか、ということだ。

●終了後も、会派では対応が続く。

●長い初日が終わった。しかし、序章に過ぎなかった…