• 「猫の手貸します」

「政務調査費は、
 黒の部分は黒とわかるが、
 公職選挙法と同じで
 グレーゾーンが主であるため、
 最後は裁判官の判断にゆだねられるのです」

政務調査費の使途基準について、
川崎市の市議会議員を招き、
研修を行なった。

その際に川崎市議から聞いた言葉。

「なるほど」と思った。

これまで政務調査費の使用については、
その原資が大切な税金であるということを
最大限に汲み取り、
慎重にも慎重を重ねてきたつもりだ。

今後もこの姿勢を変えるつもりはない。

それでもなお、
常に使途については自問自答している。

なぜなら「基準」が時代の流れに伴って
変化していくのである。
それも急速に。

政務調査費ついては、
「地方自治法」にその根拠を置き、
自治体ごとに条例を定めれば、
支給してもいいこととなっている。

首長から議会の会派や
議員個人に支給する補助金である。

さいたま市議会では条例に加えて
「条例施行規則」の中で使途基準を設けており、
さらには議員同士の間で、
詳細な基準を別途設けている。

また、公認会計士からなる
第3者機関のチェックを受け、
議会全体としても、
現在政務調査費の使用については、
慎重な運営がなされている。

他の自治体議会に比較しても、
かなり厳しいチェックの部類に属するだろう。

それでもなおかつ。

裁判での判例が出たり、
監査委員会の勧告が出たりすれば、
これが新しい基準となっていく。

つまり、基準には、
①法規で定めたもの
②裁判官や監査委員(外部監査を含む)の判断によるもの

の2種類あるということだ。

このうち後者の②の基準は、
年々、時間を追うごとに、
厳しいものとなってきている。

先ほども述べているが、
政務調査費のしようについて、
原資が税金である以上、
その使用にあたっては、
議員も厳しくあるべきだ、と思う。

行政に対し、議会は常に
公金の使用について厳しい注文をつけているが、
自らが甘い使用をしているとすれば、
発言の資格を失うことになりかねない。

この一方で、
基準が常に動き続けていく現状に対し、
複雑な気持ちでこの動向を見ている面もある。

冒頭の川崎市議の言葉は、
これを端的に表現したものであり、
なるほど、と思ったのだ。

繰り返しになるが、
政務調査費の原資は税金である。
適正に使用するのは当然のことだ。

私的に利用したり、
自らの生活の足しにするなどは言語道断である。

こうした極端な例は「黒」と断定できる。

そうではなく、
まさにグレーゾーンの部分において、
基準があいまいなのだ。

さらに言えば、
後付けでの基準の適用となる点も留意点だ。

裁判や監査はまさに使用後のチェックとなる。

今の風潮として、
①の法規の基準には抵触しないように配慮し、
適正に使用していたつもりでも、
②の基準により、
「目的外支出」であるとの、
「後付け」の断定を受けるケースが生まれてきた。

この基準が時間を追うごとに変化しているので、
時間のギャップの狭間で、
時に「不正」とされてしまうケースがある。

先に、前もってその基準を把握していたら、
使用していなかった、
というケースも実際には存在している。

使用できる領域は広いほうが
相対的に政務調査の可能性は広がるものだ。

しかし現実にはその領域が
グレーゾーンに位置するため、
判断が難しい。

そして、もし自らの使用が
「目的外支出」と断定されたら。

その場合には、
単に「返還すればいい」
という話にはならない。

自らの実名入りで、
新聞、時にはテレビでも報道され、
「悪徳政治家」「公費の私的利用」などと、
評価されてしまう可能性がある。

こうなると自分の本意ではないし、
次の選挙はよほどの
厳しい逆風に直面することとなる。

議会改革に熱心に取り組み、
誠実な活動をしている議員ほど、
また、政務調査費の使途に
敏感に配慮している議員ほど、
この流れの中で、
苦悩し、葛藤しているのが
議会の内部での現実である。

私も同様の気持ちだ。

ただ。

私には確信に近い気持ちもある。

政務調査費は、
使用しなければいい、
とは思わない。

税金の使途は、
費用対効果の面から検証されるべきで、
それが議会にとって、
さえらに言えば
市政にとって有効な使用ということであれば、
市民の多くの方になって頂けるものと考えている。

先日も当ブログで記したが、
議会は二元代表制の仕組みの下、
行政から自立していかねばならない。

そのためには、
議員一人ひとりの質が向上しなければならない。

その質の向上に資する使用なのかどうか、
ということが、
ことの本質なのではないか。

また、市民の信頼の上に成り立つのが議会である。
だから、そのための使用として、
広報などによる説明責任の徹底も、
また大切な視点であろう。

基準を逸脱しないよう
細部へのこだわりを持ちつつも、
この本質を大前提にして、
今後も使用に気をつけていきたい。

       ★

2月11日

●終日、自宅にて2月議会準備など

2月12日

●早朝、自宅にて2月議会準備
●午前、議会にて2月議会準備
●本会議・代表質問
●予算委員会・理事会
●午後、議会にて事務作業など
●行政改革特別委員会・打ち合わせ
●テレビ局取材
●会派研修「政務調査費の使途基準について」
●夜、川崎市議との懇親
●市議との懇親

2月13日

●早朝、自宅にて2月議会準備
●午前、議会にて事務作業など
●地方税法改正について税制課からのヒアリング
●〜夕、議会にて事務作業など
●武蔵浦和会館、賀詞交歓会
 …新たなコンセプトを持った葬儀場
●2月議会議案関係ヒアリング