• 「猫の手貸します」

「タミフル耐性のインフルエンザが増えた」

これはチマタで言われていること。

ここから連想するのは、
●タミフルがインフルエンザに効かない。
●新型インフルエンザもタミフルが効かない。
●もう一つの抗インフルエンザ薬の
 リレンザのほうがいいのでは。

と、こんなことである。

ところが、ことはそんな簡単ではない。
ある意味マスコミの情報は間違っている、
というより正確ではない。

医療の専門家に聞くと。
以下のようなことだそうだ。

●タミフル耐性ウィルスの確認作業は
 DNAレベルでの判断。
●しかし、実際の医療の現場では
 実はほとんどが効いている。
 つまり耐性ウィルスが
 猛威をふるっているわけではない。
●新型インフルエンザ対策も、
 やはりタミフルは重要な位置づけである。
●リレンザは「吸入型」であり、
 喉あたりの部位にウィルスが
 滞留している時には直接作用するが、
 ウィルスが血液の循環に入ると効果は弱い。
●その点、タミフルは効くまでには時間がかかるが、
 血液を通って循環するので、
 体全体に効用がある。

 
以上は専門家の話を
土井が解釈したものなので、
若干異なるかもしれないが、
こんなことである。

メディアの報道は時として、
センセーショナルな側面が前面に出るため、
事実と異なる方向に理解が進んでしまうことがある。

タミフルの件は、
まさにそんな一つの事例だ。

で、タミフルといえば。

新型インフルエンザ対策として、
我がさいたま市議会・12月議会にて、
30万人分のタミフルを購入する
という提案をしたさいたま市行政。
そしてそれを決定した議会。

私も当然賛成した。
そして今もって正しい判断だと確信している。

ところで、この決定は画期的なものだ。

約8億円の金額は決して安いものではない。

そして新型インフルエンザの情報は、
まだまだ錯そうしている感がある。

この段階において、
30万人分を8億円をかけて備える決断をする、
というのは勇気のいることだ。

「7年」が消費期限となっているので、
7年後には結果的に8億円が
無駄となってしまうかもしれない。

また、周りの自治体の様子を見ながら
手堅く判断する手もあっただろう。

現在はまだ国レベルで
次々に新しい対策が打ち出されている段階であり、
都道府県レベルでも東京都などが動き始めた段階だ。

国から指示・命令の類として降りてくる以外の事柄で
自らの決断による対策は、
市町村レベルではほとんどないと言っていいだろう。

そんな中で、
今回のさいたま市は独自にタミフルを購入する、
という決断をした。

政令指定都市では最も早い決断である(だったと思う)。

私はこの決断は、
後に大きな意味をもつものとなる、
と考えている。

新型インフルエンザは、
パンでミック(感染爆発)状態となると、
社会機能が停止する危険性がある。

毎年流行するインフルエンザと大きく異なるのは、
突然変異で登場するウィルスのため、
人類の誰も免疫を持っていない。
だからすぐに感染してしまうし、
それが拡大しやすい。

最もも問題なのは、
感染者の死亡率が、
60%を超えると言われていること。

その死亡者の内訳は、
20代・30代が圧倒的に多いのが特徴。
過剰免疫状態となり、
多臓器不全などで死亡するそうだ。

国という公的機関が、
最大で死者「62万人」
という推計を出している状況なのだ。

この新型インフルエンザの問題は、
公共か民間かを問わず、
社会の要所を支える重要な人材が出勤できなければ、
当然、社会機能が停止する点である。

だから新型インフルエンザ対策は、
単なる医療・健康上の問題ではない。
「危機管理」上の課題として位置づけられている。

社会機能が停止して最も先に影響を受けるのは、
入院中やケアの必要な状況の社会的弱者の人々である。

社会の停滞は許されないし、
それがあったとしても
最短の時間に食い止めなければならない。

危機管理で大切なのは、
適切な「備え」と、
いざというときの「決断」である。
そして事後の「復帰」である。

さいたま市は、独自の判断により、
この「備え」に大きく踏み出した。
これも市町村レベルではダントツに早い判断だ。

7年後にはもしかしたら、
このタミフルを使用せずに、
それこそ「無駄」との結果に終わるかもしれない。
その際には賛成した一議員として、
責任が生じる立場であることは自覚しておきたい。

しかし、いつパンデミックが起きるか、わからない。
来週かもしれない。
来月かも知れない。
10年後かもしれない。

誰にもわからない。

いざというときに、
毅然と対応するための
環境づくりの第一歩としてとらえたい。

できることなら全く使用せずに
終わってくれることを望みたいのだが…。

いずれにしても、
さいたま市は独自の判断で
新型インフルエンザ対策に
乗りだしていることを、
ここではお伝えしたかった。

       ★

2月7日

●午前、市民相談
●午後・夜、自宅にて2月議会準備ほか

2月8日

●午前・午後、自宅にて2月議会準備ほか
●夜、財政自主研究会
 …講師:菅原敏夫氏(自治総研)
  総務省「内かん」を読む。
  2009年度予算の特徴など。
●財政自主研究会関係者との懇親

2月9日

●早朝、自宅にて2月議会準備など
●午前、本会議・代表質問
●午後、本会議・代表質問
 …私の会派からは細川邦子議員が登壇
●予算委員会・理事会
●予算委員会
●一人親家庭支援についてヒアリング
●新型インフルエンザ対策についてヒアリング
●「事業仕分け」について情報交換
●夜、議員との懇親