• 「猫の手貸します」

民間証券会社で働く若手の話。

営業で外回りをするたびに、
もはやどの会社においても
「厳しい」という言葉ばかりが出てくるという。

当然自分の会社の経営も悪化している。
悪い回転ばかりが加速しているという。

経済が未曽有の事態であることは、
すでに共通認識となっている。
その裏付けとなる話だった。

ただ、こんな時こそ、
これまでできなかったことに
着手するチャンスである、
ともいえる。

安定期には改革をしにくい雰囲気でも、
混乱期で不安定な時こそ、
新たな価値観を提示し易い。
それに支持を受ける可能性も高くなる。

オバマ大統領の発信する
「グリーンニューディール」は、
まさにその最たるものだろう。

第2次大戦時に行なわれた「ニューディール政策」。
当時のような社会インフラ整備の建設業ではなく、
「環境」という新しい分野に公共投資し、
景気への好転を促すとともに、
その分野の課題を解決していこう、
という二兎を追う、時代に適した発想だ。

地球環境に最も大きな影響を与えているのが、
米国と中国だから、
その一方の米国が本格的に取り組むというのは、
地球規模で意義があることだと言える。

これらは政治家の発信のお手本と言えるだろう。
今後に注目したい。

転じて日本の話。

この経済情勢の下、日本においても、
様々な取り組みがなされようとしている。

ところが、新しい価値観を提示し
リーダとして国民を引率するべき
麻生総理大臣への国民の期待度が低いため、
どんな取り組みも国民が共感してくれない。
日本においては致命的なことだ。

政治不審の象徴の「定額給付金」。
政策としては、まるで体をなしていない。
自治体にとっては余計な作業が増えるばかりで、
迷惑な話である。

この愚策をすぐに見透かした国民は、
適切な判断力を有していると言える。

適切な判断力を持つ国民と
目先の政策を提示する政治家のギャップ。
これが低い支持率の本質だろう。

これから政権を担当しようとしている民主党も、
安定した政権運営を目指すならば、
大いに教訓とすべきである。

それはさておき。

現在の政府の取り組みの一つには、
介護従事者の確保策がある。
私は徹底して進めていくべきだと考えている。

高齢社会の入り口にある日本社会において、
介護従事者の確保策は最優先課題である。

介護現場に、能力とやる気のある人材が
いるかいないか、によって、
十年後の介護サービスを受ける当事者と
その周囲の者にとっては、
まったく異なる環境になるだろう。

現在の人材不足のままいけば、
お金があっても
介護環境が得られないケースが予想される。
それくらい深刻な事態なのである。

十年後には、
人口ピラミッドで高い山を構成する団塊世代が、
本格的な介護世代となる。

介護分野の人材確保は、
まさに今すぐの課題なのである。
従事者には長期に勤続してもらい、
経験を蓄積してもらったほうがよりいい。

安定期には、
自分の仕事を手放したくない、
介護という重労働の現場で仕事をしたくない、
そんな心理が働くものだ。

一転して、今この不安定な時だからこそ、
職種の移動は比較的容易になされやすい。
不足がちの介護業界にも、
人材確保に好転の兆しが見出される。

今後においては
単なる不足の穴埋めのような付け焼刃策だけではなく、
学校教育での介護への理解促進など、
総合的な取り組みを徹底できれば、
なおいいと考える。

ともかく人材確保を急げ、という認識だ。

ところで、この取り組みは、
過去に戻る、という意味ではない。
過去とは「大きな政府」という意味である。

介護従事者を公務員として増やせ、
という流れではない。
民間組織で働く従事者をより多く確保していこう、
という新たな社会像を創造する試みである。

大きな政府は、
歴史的に一定の役割を果たしたものの、
効率性に難が生じ、
財政を逼迫させ、
将来の持続性を危うくさせたことを
忘れてはならない。

歴史的には構造改革期に
日本は入っているのである。
この認識を根底におかねばならない。

特に政治の立場に立つ者は、
目先の人気取りで提案したり批判したりして、
国民を誤った方向に導いてはならない。
この点を常に自覚したい。

私たちは将来に責任を負う立場だ。
適切な規模の政府を創造する。
そして持続性の担保のために常に見直しをしていく。
こんなことを念頭に置きたいものだ。

今回は介護分野の人材不足に特定した。
が、現場従事者という視点で考えれば、
児童福祉施設・障害者施設・医療現場など
様々な分野で同様の傾向にあることも
付け加えておきたい。

過酷な仕事内容に加え、
待遇が見合わないことにより
募集しても人が集まらないのだ。

機会を改めて記したい。

       ★

1月29日

●早朝、自宅にて2月議会準備など
●午前、議案説明会
●予算委員会・理事会
●会派会議
●午後、議会にて事務作業等
●南区区長との懇談
 …さいたま市、南区の病院事情など

1月30日

●早朝、自宅にて2月議会準備など
●午前、会派予算委員打ち合わせ
●まちづくりについて民間会社関係者らと懇談
●午後、市民との懇談
●南区選出議員・区職員の懇談会
●明大大学院・埼玉会