財政破綻した夕張市。
その現在を如実に示す
「夕張市人口459人減 昨年 依然、止まらぬ流出」
と題したニュース(1月10日 北海道新聞・HPより)
を読んだ。
昨年末の人口(住民登録者数)は1万1739人。
これは前年より459人(3・8%)
減ったということだ。
企業誘致策などで、
人口流出減に意欲を見せる
市長の意に反するかのように、
「依然高い水準で人口流出が進んでいる」
とのことである。
私は、
前佐賀市長・木下敏之さんの発行するメルマガ、
『夕張市立総合病院を引き継いだ
「夕張希望の杜」の毎日』
の愛読者である。
これを読むと、
新たな夕張の希望が見えてくる。
依存型だった住民の意識も
変化の兆しがあるようだ。
ちなみに、このメルマガの広告収入は
夕張希望の杜に寄付されることとなっている。
孤軍奮闘を続ける村上医師ほか
医療関係者の応援を意味も込めて、
読者登録を是非お勧めしたい。
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夕張の話に戻る。
以前から2007年に夕張を訪問した件も含めて、
このブログでもたびたび取り上げてきた。
財政破綻がもたらす
住民への急激な「負担増」「給付減」。
まずは行革、ということで、
職員の給料を大幅減額したため、
大量の退職者が出たのは記憶に新しい。
私がこの一連の
夕張の財政破綻から学んだ事の一つ。
それは「今すべきこと」を怠って、
結果的に住民に大きなしわ寄せをもたらした
政治・行政の在り方である。
今、負担額を挙げなければならない。
今、必要性の無くなった
事業の削減をしなければならない。
こうした「今」しなければならなかった決断を
夕張市の政治・行政は、
先送りしてきた。
ついに破たんに至るまで
決断することができなかった。
最後には脱法行為と指摘される一時借入金の操作。
議会はこの行為をチェックできなかった。
産炭政策後の目玉とされた観光政策の過剰投資を
議会はストップさせることができなかった。
住民負担をより高くする決定は、
住民の反対や異論につながるものだろう。
また、すでに行われている
事業を廃止することは、
その事業の当事者によって
反対されることが予想される。
選挙はその住民に投票してもらうわけだから、
本来は政治の最たる責任であるにもかかわらず、
政治家は肝心なことを言い出せない。
政治の先送り策が結果的に何をもたらしたのか。
住民への急激な「負担増」「給付減」である。
突然、急激に高額の負担を求められる。
これまであった事業は
急きょ廃止され、なくなる。
急激な変化は住民生活に
直接、大きな影響を与えかねない。
生活を困窮させる、ということだ。
先ほどの人口減を報道する
ニュースが何より雄弁に物語っている。
このケースをさいたま市の教訓としたい。
さて、夕張訪問時に私が直接聞いた言葉。
これを再掲して締めくくりたい。
偶然出会った中学生3人組。
その日は快晴。
それでも北海道らしくやや肌寒い。
昼時のある意味ではのどかな時間帯だ。
おもむろに、ある意味で興味本位で、
今後も夕張で生き続けるのか聞いた。
故郷への想いを聞きたかった側面もある。
しかし、彼らは異口同音に、
それも何のためらいもなく、
次の言葉を発したのである。
「(夕張を)出ていきます」
未来を担う子供たちに見放されたまち…
秋の深まるやや冷たい風が、
さらに寂しい気持ちを促したのを、
今でも鮮明に覚えている。
とにかく、夕張市民には頑張ってほしい。
そして私たちは
夕張の破たんに至る過程を
を忘れてはならない。
★
1月8日
●午前・午後、自宅にて事務作業等
●夕、議会にて事務作業等
●夜、大学教授、大学院生らとの懇親
…平和とは、分権とは…
1月9日
●自宅にて事務作業等
●見沼ヘルシーランド
●森稔・森ビル社長との打ち合わせに同席
…都市政策フォーラムのイベントで、
森社長と青山教授が対談なさる。
その打ち合わせ。
●青山教授らとの懇親