• 「猫の手貸します」

2008年12月18日
12月議会 本会議
一身上の弁明における発言

民主党・無所属の会さいたま市議団の土井裕之です。一身上の弁明の機会をいただきましたので、発言をさせていただきます。私・土井裕之に対し、吉田一郎議員より、地方自治法第133条に基づき、12月15日付で、処分を要求する文書が提出されました。この趣旨は、12月15日の予算委員会において、議事進行に関する私の発言が吉田議員に対する「侮辱行為」となった、とされるものです。まず冒頭において、私の発言は、吉田議員が処分の要求をしている侮辱行為には全く当たらず、また処分要求書には事実に反する記述があることから処分要求は不当であり無効なものである、と申し上げます。

その理由は以下に説明いたします。

なお、今回、正規の手続きに則って行なった私の発言に対し、圧力をかけるかのような不当な処分要求が行なわれたことについて、今後の議会運営に大変危惧を抱いているところです。

さて、吉田議員が求める処分要求について、論点となるのは、次の3点だと理解しています。

①私の発言が「侮辱行為」や「批判」に当たるかどうか。
②「具体的な個所や根拠を何一つ指摘」していないことは問題か否か。
③処分要求書には事実に誤りが存在している点。

この3点について順次ご説明いたします。

1点目、私の発言が「侮辱行為」や「批判」に当たるかどうか。について。

問題とされている12月15日の予算委員会での私の発言を、確認のため、ここで全文を読ませていただきます。この発言は議事進行の発言として、委員長の許可を得て行なったものです。

「ただいまの吉田委員の討論の中に不適切と思われる言葉があり ましたので、委員長により精査し、後日、理事会で諮っていた だきたいと思います。よろしくお願いします。」

提出者の吉田議員以外の議員の皆さんに、ぜひお聞きしたい。
この発言のどこに「侮辱行為」となる文言があるでしょうか。

「侮辱」とは、「あなどり。はずかしめる」ことであり、
相手を見下した立場で行なわれる言動を指すものです。

侮辱とは多分に主観的要素が強いものだと理解しています。同じ言動でも、受け取る立場によって、侮辱となったり、ならなかったり、ということが生じるものです。ただ、今回の件では、私の発言をもって侮辱行為とするのは、いささか無理があるのではないかと思われます。吉田議員を見下したような文言は含まれていません。

また、それでは私の発言の中に、「批判」に該当する発言はあるでしょうか。これも存在していないことは明らかです。

「批判」とは、人物や行為などの価値・妥当性などを評価するものです。つまり私の発言の中に、吉田議員の発言の一部の価値や妥当性を評価している文言があるかどうか、が問われるものです。

先ほど読み上げましたが、私の発言では、
●私自身は「不適切と思われる」として断定を避けていること
●委員長に精査を求めていること
●理事会で諮っていただくよう委員長に求めたこと
これらからして、なんら吉田議員の発言の価値を評価したものではありません。

「批判」をした事実がないとすれば、「侮辱行為」の前提条件が失われるものであり、要求されている処分の必要がなくなるものです。

議員各位には、これらの点を、ぜひ念頭に置いて、ご審議いただければ幸いです。

2点目、「具体的な個所や根拠を何一つ指摘」していないことは問題か否か、という点について。

まず私は適正な議会ルールの下に発言したことをお伝えします。
私が行った議事進行に関する発言は、皆さんがご存じのとおり、
さいたま市議会・会議規則第58条に基づき、委員長の許可を得て、正規のルールに基づいて行なったものでした。

さて、吉田議員は、自らの処分要求書で、私が議事進行の発言をした際、「具体的な個所や根拠を何一つ指摘」していないことを指して問題だとしています。

しかし、よく考えていただきたいのですが、私・本人が不適切と思っている言葉を委員会の公の場で繰り返して発言ができるでしょうか。少なくとも私はそのような感性を持ち合わせていません。

また、まだ吉田議員の討論の発言直後の段階では、私の聞き間違えや認識違いの可能性もあります。そのため「不適切」とは断定せずに、委員長に記録を精査していただき、その後に理事会で審議をすることを求めることは、慎重な取り扱いにつながるものだと言えます。

実際に昨日12月17日に開催された予算委員会・理事会においては、吉田議員の発言した言葉について、会議録での扱いをめぐり、理事の間で判断の分かれる結果となりました。これは慎重な取り扱いが正しかったことの裏付けとなったのではないかと考えます。

そもそもこれまでの議会運営でも、議事進行に関する件は、私が行なった発言のような内容で、しばしば進められてきた経緯もあり、これまでの慣例に照らしても何ら問題はないと考えます。

以上のことから、公の委員会の場において、あの時点で私から「具体的な個所や根拠を指摘」しなければならなかった理由は全くありません。

さらに、ここであえて言わせていただきたい。予算委員会おける私の議事進行に関する発言の直後、吉田議員は、とっさに私に対する処分を求める発言をされました。ご存じのとおり、処分要求とは議長に提出する手続きであり、吉田議員の行動は誤った行為であったわけですが、そもそも、そのような行動に出ることが適切だったのでしょうか。

もし「具体的な個所や根拠」をその場で知りたければ、まず委員長に休憩を求め、その休憩中に、私に対して具体的な個所や根拠を聞き出すことができたのではないでしょうか。吉田議員もまた委員という立場でありながら、なぜそうした努力を怠ったのでしょうか。その努力を怠りながら、「具体的な個所や根拠が示されていない」という理由をもって処分を要求する、という展開はあまりに乱暴であり、私には理解をすることができません。

吉田議員の一連の行動から、文言の確認をすることが第一ではなく、処分要求を出すことに目的があったのではないかと、私は推測するものです。

3点目、処分要求書には誤った記載があるという点について。

吉田議員の提出された処分要求書には、3ヶ所にわたり事実とは異なる記述が存在しています。

処分要求書の2行目と6行目にあるカギカッコ内について、いずれも私が発言した「と思われる」という部分が抜けています。いうまでもありませんが、カギカッコを用いた引用については、正確な私の発言が記されている必要があります。しかし、これら二つのカギカッコ内の引用については、私の発言の一部しか取り上げられていませんでした。明らかに不適切な引用を行なっています。

さらに誤った記述は、この2ヶ所の他にも存在しています。処分要求書の4行目には、私が委員長に対して精査だけではなく、議事録からの「削除」までを要求したかのような記述があります。

しかし、予算委員会記録をご覧になればすぐにわかるとおり、私が求めたのは委員長による『精査』のみです。

これらの3ヶ所にわたる誤りは、いずれも処分要求の前提となる事実関係に直接関わる重要な言葉となっています。これが誤っているということは、大前提としての事実が異なっているわけですから、この処分要求書の存在自体が無効となるのではないでしょうか。

これらの誤った記述は、読んだ方に大きな誤解を招く恐れがあります。この処分要求書は、「除名」という懲罰をも含んだ、重大な案件を取り扱うものです。なぜ事前に事実確認や処分要求書の校正作業を行なわなかったのでしょうか。これは、この吉田議員が提出した処分要求書が、いかに不当で無効なものであるかを示す最も有力な証拠となります。

議員という公的立場にあるだけではなく、事実をもっとも大切にすべきジャーナリスト活動を公言されている吉田議員が、自ら事実確認を怠るばかりではなく、事実に反した文言を含んだ公文書を作成し提出したこと、それもその文書により議員への処分を求める要求をしたことに、私は大変驚き、そして衝撃を受けています。これこそ私に対する侮辱行為です。

地方自治法第133条に基づく処分要求という行為は、良識を持つ議員によって行われることが大前提にあるからこそ、一議員で提出が可能なものとなっているのです。私たち議員は、自らの有する権限・権利の行使においては、その影響力の大きいことから、感情に流されず、節度を持ち、慎重となるべき、と申し添えておきます。

以上3点にわたり、この処分要求が不当なものである理由を述べさせていただきました。最後になりますが、議員各位におかれましては、この弁明の趣旨をおくみ取りいただき、事実の確認の上、慎重で公正なる審議をお願いいたしまして、私の弁明を終わります。