26日夜、与謝野馨衆議院議員の話を聞く機会があった。
明大大学院の青山先生の授業のひとコマ。
ちなみに与謝野議員は当大学院の特別招聘教授である。
私は、最近、与謝野議員の著書『堂々たる政治』を読み、
背筋がピンと伸びる思いをしていただけに、
ことのほか待ち遠しい気持ちであった。
そんな流れで話を聞いたのだが、
与謝野議員は、
「耳障りなことを言う」と自認している通り、
はっきりものを言う稀有な存在であり、
かつ責任感と大局観をもった政治家だとの印象を持った。
後期高齢者医療制度や消費税増税への異論について、
「政治家が迎合しすぎている」現状を憂いていた。
その背景にある問題の解決に言及せずに、
批判ばかりを繰り返すことは、
将来にツケをまわすこととなる。
与謝野議員は数字を用いて詳細に説明をした。
これらの混乱の理由は、
説明不足や全体像・問題の背景が
共有されていない現状にあるのだ、
と私も思う。
「移民の受入」については、
「人口が減ることは必ずしも悪いことではない。
移民を受け入れると一口で言っても、
社会的コストについても考えていかなければならない」
と言う。
現実を踏まえた考えをしっかり持っている。
その与謝野議員が「地方分権」について触れた。
二つのキーワードを示した。
ひとつは「自治体に課税権を与える」。
もう一つは「道州制などの議論の前に
県は必要なのかを検討するべき」。
するどい、と思った。
この2点については、
地方自治の根幹をなすべき重要な課題でありながら、
自治体関係の学者でも論じている人はそう多くはない。
しかし、かねてから私も、
避けて通れない話だと考えていた。
特に「課税権」の話。
自治体に課税権を与えるとしたら、
議会が住民に税金の負担額を提示し、
それに納得してもらう、
というプロセスが必要となる。
誰しも負担は少ないほうがいいと思うはずだから、
負担増を示したとたんに、
議員は次の選挙が厳しくなる。
課税権を与えられる、というのは、
議会がその最前線に立て、
議員はそれから逃げるな、
ということを意味している。
中央政府は自治体の税額までを、
地方税法という法律などで実質上決めている。
これは今も続いている。
しかし、これで本当に分権が進むのだろうか。
進むはずがない。
全国一律に税を徴収するシステムを改めること。
自治体議員が税の負担について議論し、
住民の理解を得る努力をすること。
議員の立場に立つ者、
これから立候補する者は、
この覚悟を持て、
というメッセージとして受け取った。
いずれにしても与謝野議員からの話には、
大いに刺激を受けることとなった。
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5月26日(月)
●午前・午後、議会にて事務処理など
●夜、明大大学院「与謝野議員講演」
●明大大学院関係者との懇親