• 「猫の手貸します」

この間に読んだ本のうち、
特に印象に残るものを紹介します。

●『生活保護VSワーキングプア』(大山典宏 PHP新書)

今、30代の女性の子供が一番の被害者。
もっとも配慮すべきは「自立支援」。
必要なときに支援し、
いずれ自立をして納税をしてもらう。
数十万のニート人口を抱える今、
真の自立支援策が求められている。

●『沖縄戦を考える』(嶋津与志 おきなわ文庫)

沖縄戦の本質を、
冷静な証言の積み重ねと
その分析によって記している。
「鉄の暴風」の間違いも踏まえたうえで、
本質に迫ろうとする内容には説得力があった。

●『病気にならない免疫生活のすすめ』
 (安保徹 中経の文庫)

がんになって手術をする。
この当たり前と思われるサイクルに警鐘を鳴らし、
もうひとつのライフスタイルを提案する。
それよりもストレスをためない生活の
大切さを説いている。

●『昭和史入門』(保坂正康 文春文庫)

無謀だった昭和前期の「あの戦争」を中心に、
冷静な切り口で昭和を語る。

保坂氏による、
証言を積み重ねることにより
真実を見極めていこうとする独自の手法は、
信頼できる。

「あの戦争」を、
軍事主導で戦略なきままに突入した戦争だとしながら、
今も論争が耐えない「軍事的暴力性」については、
その指揮官の資質や人格によると述べている点が、
特に印象に残った。

●『誰が日本の医療を殺すのか』
 (本田宏 洋泉社)

この間、国民健康保険の議案に関連し、
医療の問題には大きな関心を割いている。
待ったなしの医療現場。
現場は倫理観の強い医師や
看護士たちに支えられている。

医療費は1980年代から
一貫して抑制され続けてきた。

本格的な高齢社会を視野に入れた今、
ここで本腰を入れて、
医療の抜本的な改革をすすめなければ、
社会の持続性が厳しくなる。
そんなことを感じさせる内容だった。

●『危ない日用品使ってませんか?』
 (稲津教久 三笠書房)

「経皮毒」という耳慣れない言葉。
「皮膚を経て体内に侵入する毒」のことだ。

風呂で使用するシャンプーやコンディショナー、
洗濯機に入れる洗剤、赤ちゃん用のオムツなど、
身近にあるものが
いかに危険かが記されている。

危険物の進入は、
口から入る「胃袋方面」と
「気管・肺方面」の2ヶ所だけではない。
皮膚から進入する毒が、
いかに身近で、量も、
その進入の機会も多いことか。

がんなど多種多様な病気に対して、
病院にいくなど事後的に対応するだけではなく、
今一度、事前にこの視点に
気を配っておく必要がありそうだ。