• 「猫の手貸します」

9月8日(土)

だいぶ体調が回復してきた。
この2日間は、ほぼ9月議会の準備に時間を割いた。

夜、道場にて稽古。
しばらくぶりに道場に顔を出したのだが、
新入りの子どもたちが5人も増えていたのにびっくりした。

しつけや心身の鍛錬を念頭に、
子どもを道場に通わせたい、
という気持ちをもつ親が少なくないのだろう。

今という時代だからこそ、
武道の意義がますます見直されていくのではないか。
これは関係者の一人として、
好ましいことだ。

ただ、先日中教審が発表した
中学・高校での武道の必修化はどうか…。

効果が上がるためには、
その精神性をも体得した指導者がいなければ、
なかなか意味を成さないだろう。
その資格のある指導者は充分にいるのだろうか。

そもそも、
中央で画一、一律に学習内容を決める方式自体、
そろそろ脱却したらどうかと思っている。

その地域にはその地域に合った
教育があるはずなのではないか。

9月9日(日)

終日、インターネットでの調査や市資料の読み込みなど

夜、食事の際に、
ドラマによる「生きる」を見る。
黒澤明の名作映画のリメイクである。
(『生きる』1952年上映)

余命数年を宣告された主人公が、
様々な人との出会いから、
それまでの惰性で送ってきた役人生活を改め、
「人に役に立つ」ことで自分の生きがいを見出していく、
という物語だ。

「命短し、恋せよ乙女」(歌の名前が分からない…)
と口ずさむ主人公の哀しい目に、
見るものが胸を熱くする。

現代風にアレンジしてあったが、
内包されている哲学はそのまま生きていた。

思えば、映画というのは媒体であって、
それは映像技術だけでは成り立たない。
その中身、メッセージこそ大切である。

この作品は、脚本自体を黒澤監督本人が担っている。
今もまだ色あせていない普遍性をもつメッセージ。

黒澤監督が特殊なのかもしれないが、
いかに当時の日本人が
哲学や人生と対峙していたのか、
とつくづく頭が下がる。