• 「猫の手貸します」

■東京の未来を考える船上セミナー(第2回)
■6月30日(土) 9時45分〜13時
■主催:東京都公園協会。

【出発】
両国駅を降り、両国発着場から船で隅田川を進む。
解説は我らが青山先生である。
参加者は総勢で80名ほどだった。

【両国〜オリンピック予定地】
まずはオリンピック予定地となる豊洲まで。
川を下るに連れ、幅が広くなる。
「以前は汚い川だったが、下水道の普及できれいになった」
と青山先生の解説。

船が出発してすぐに、
船のデッキ部分に上がり、
外で川から大東京を眺めていた。

すでに100%の普及率を誇る東京都の下水道も、
50%に達したのは昭和50年。
それ以降、都民の下水道への要請が強くなる。
合わせて川も急速にきれいになり、
いまや船で川を遊覧することができるようになった。

フジテレビの本社のあるお台場などを見た後、
豊洲の変電所。
ここは昨年、明大大学院青山先生の課外授業で中に入っている。
円形の施設で、データーセンターを兼ねている。
もともとは火力発電所があった。
変電所が都心にあることの強み。
確か、世界のどの大震災にも絶えうるだけの強度をもっていると聞いた。

【隅田川に架かる個性的な橋たち】
ベイブリッジを前に引き返し、
今度は川を上る。
橋の下を次々にくぐっていく。

船上から橋を見ると、
普段の印象とはまったく異なって見えるから不思議だ。

「悪い公共事業は即座にやめなければ成らないが、
 いい公共事業、後世に残すことのできる公共事業を」
という青山先生の解説を聞きながら橋を眺めると、
色とりどりで、構造もそれぞれ個性があることがわかる。

中でも、世界に誇りうる橋があるとのこと。
この企画はまだまだ開催されるとのこと。
ぜひ一度ご覧いただきたい。

【白鬚西地区】
荒川区に位置するこの地域。
一行は、船から下り、
この地域の土手沿いを歩いた。

以前、工場と木造密集地であったこの地区は、
スーパー堤防整備事業と市街地再開発事業により、
現在はすっかりきれいなまち並みとなった。

治水のためのこの事業をやることに合わせ、
水辺空間の魅力を向上させる配慮をしたもので、
堤防の部分は土手を心地よく
散歩やランニングができるよう整備されていた。

高層マンションは建設中で、
高額所得層も住むまちとなるという。

まちづくりには防災の観点は欠かせない。
阪神大震災の教訓は、
「15分以内に支社の9割が亡くなったこと」
つまり、耐震性の高い住居の割合を限りなく増やしていくことだ。
また関東大震災の教訓では、
火災の発生でより多数の死者を出している。

当地区ではこれらの原因となる木造家屋が密集する地域があったが、
現在、古い木造密集地だったこの地域には、
今木造の家屋が一軒もない状況だ。

また、被災時には避難する空間も広く設けている。
様々な配慮流されている地域であり、
一度上の部分もしっかり視察してみたい。

【両国発着場へ】
約3時間の船上での視察。
青山先生の解説もあいまって、
有意義なものとなった。