• 変わらず ブレず 前へ 未来へ。

1月16日(火)午前、
教育市民委員会が開催された。

議題は請願審査。
12月議会最終日に上程された請願を審査した。

審査した請願は
ゆきとどいた教育を進めるための
 30人学級実施を求める請願

である。

紹介議員は共産党会派の2人。

内容は、
小学校・中学校・高校で、
早期に30人学級を実現すべき

というもの。

私の判断は、「不採択」である。

前もって触れておけば、
少人数学級(現在は40人以下を指す)や、
より小数化している状況について、
時代の流れだと考えている。

私(団塊ジュニア世代)の子どものころは、
45人くらいだったと思う。
当時が良かったというつもりはないし、
それで我慢すべきだというつもりもない。
時代は変化し、教育環境が変化した流れの中で、
少人数に迎う流れも充分理解できる。

さて、「不採択」の判断をしたのは
以下のような理由による。

現在さいたま市では、
小学校1・2年生を35人、
そのほかは38人で対応している。
これを早期に30人にするとどうなるだろうか。

この点について、
各委員が教育委員会職員に参考意見を求めた。
●まずは「過大規模校の解消」
 その後段階的に少人数学級への取り組み。
 これがさいたま市の方針。
 (市長マニフェストに明記されている)
●さいたま市内の過大規模校の数…8校
 …この解消のため辻南小学校が建設されたほか、
  数校の小学校の建設が予定されている。
●少人数学級とはそもそも何人か?
 …現在の国全体では40人をさしている。
●さいたま市の一学級あたりの平均人数は何人か?
 …32.8人=ほぼ30人はクリアしている計算
●もし今すぐ導入したとして、
★教室は…【小学校】563教室 増
     【中学校】252教室 増
★教員の人件費は…【小学校】28億1500万円 増
         【中学校】12億6000万円 増
 …これに学校の新規建設を加味すると、
  莫大な投資を必要とすることがわかる。
  請願の趣旨に現実が踏まえられていない。
●さいたま市の教育における優先度の高いものは?
 …安心・安全(耐震化・不審者対策など)

各委員のやり取りの中で、
「いじめ問題」が引き合いに出された。
もちろん少人数化すれば、相対的には、
一人当たりの教員が見る範囲は狭まるだろう。
しかし学級の子どもの人数が少なければ
いじめがなくなるというような、
それぞれの因果関係は必ずしも成り立たない。
いじめは様々な要素が重なり合って起きるものであり、
少人数学級がその抜本的な
解決策ではないと考えている。

私は、この請願を含め、
教育のお金を削減すればいい、
などと乱暴なことを言うつもりはない。
むしろ総額については
増額する判断も必要な時が
くるかもしれないとすら思っている。
少人数学級の効果も聞いている。

しかし、緊急な優先課題として、
あれだけの莫大な費用負担をわかっていながら
「早期」に「30人学級」を
推し進める必要性があるのかどうか、
いますぐ導入しなければならないのかどうか。
ここを真剣に考えなくてはならないと思う。
全体の中での判断が必要となる。

請願を議会が採択すれば、
行政機関に大きな影響を与える。
感情的な想いだけで判断するのは危険だ。
様々な面への配慮が必要で、
特に長期的展望が無くてはならないと思う。

早期に30人学級を導入すれば、
人口急増地域などでは、
32学級以上の過大規模校が多数発生する。
それらは分校などの対応をとらざるを得ず、
学校の新規建設も余儀なくされるだろう。

そうして建てた学校が、
少子化の流れの中で、近い将来に、
学校を使用する人がいなくなったとしたら…。
これは「無駄遣い」と分類される話ではないか。
一校数十億円する学校建設を考えると、
安易な考えは通らない話だろう。

学校建設費の半分は国の補助金であり、
それが建設国債でまかなわれているとしたら、
更なる借金の上積みがなされ、
将来の禍根を当の子どもたちに
押し付けることにもなるのだ。

子どもの数は、さいたま市では
地域的に増えているところはあるものの、
今後長期的視点で見れば、
少子化の流れの中で減っていくことが予想されている。

また、すでに地域的に見れば、
30人を割っている学校が市内にもある。
他自治体で30人学級に踏み込んだのは、
いずれも少子化の波の直撃を受けているところであり、
ほぼ自然減で30人になっているケースが多いのだ。
もちろん都市部においても
志木市のように25人程度学級という判断もあるが。

現在のところ、
保護者や教員に丁寧に説明するとともに、
お金のかからない方法を駆使して、
この状況を乗り越え、
自然減の状況となった時に、
もしくは画一的な方法ではなく、
地域的にできるところから進めていくことが、
適切なのではないかと考えている。

少人数学級の導入により、
現在より少ないほうが、
相対的に一人の教員が見ることのできる
範囲が広がることは理解できる。
教員は今、様々なことに時間やエネルギーを割かれ、
子どもに決め細やかに
対応できていないと言われている。

ただ、だからそれだけを見て
短絡的感情的に政策を進めることが、
将来世代に思わぬツケを残すことに
なりかねないことは忘れてはならない。
特に議会は決定機関であり、
議会の判断は直ちに実行につながっていくものだ。
冷静な判断が必要で、
将来を見る目や節度が求められている。

以上である。