• 「猫の手貸します」

10月28日(土)の午後、
改革日本の勉強会に参加。

ここには民間シンクタンクや報道関係者の方を中心に
様々な業種の方が参加している。

この日は銀行の融資についてがテーマ。
現役の銀行マンを講師に招き、
実際の現場の話を聞いた。

金融機関は、
どんな融資決定プロセスをとっているのか。

①会社から融資の申請受付
 会社の不渡り歴の確認など
②顧客への条件提示
 金利条件や担保要求交渉
③契約書署名・意思確認
④融資へ
というプロセスをとる。

このプロセスにおいて、
担当者の裁量はそれほど大きくないという。
書類に記載し、それを機械にかけるのが最初の段階。
ここで出た結果に従い、
融資の是非や金利などが決定される。
つまり、現場の可能性を目で見てきた担当者の考えは、
融資になかなか反映されにくいのが現状のようだ。

仕事の評価を正当にできる人もおらず、
人手も足りない。
そんな状況で現在の融資が行なわれている
という指摘があった。

銀行の「貸し渋り」が
しばしば問題とされる背景には、
以上のような内部事情があるようだ。

中小企業の中で、資金繰りさえうまくいけば、
事業を継続できる会社も、
銀行の判断でそれを断たれるケースが少なくない。

何のために金融機関があるかといえば、
社会のお金の流れを効率的に回すため。
その原点を今一度考える必要があるだろう。

銀行は、現在は金利だけでしか勝負できていない。
しかし今後、銀行も差別化されていくだろう。
付加価値がなければ
銀行は生きていけないのではないか、との意見も。

これまでつぶれた銀行は、
①倒産寸前の融資先が焦げ付かないよう
 さらに融資し泥沼になる
②ハイリスクの有価証券に手を出す
等の傾向があり、
中小企業に融資をすることで
つぶれるというケースはないそうだ。

これまでの金融業界を見ると、
「これで資本主義なのか」と見えるという人もいた。
金融庁がかなり関与し、
銀行同士も横並びを暗黙の了解とする。

世代交代が進まないと、
こうした体質は変わらないのではないか、との意見があった。

つまり古い考えを持った
現在の幹部の人たちが引退していかないと、
なかなか変化は訪れないのではないか、
との見方も示された。