17日(火)は、教育市民委員会の視察2日目。
旭川に移動した。昨日の札幌とは打って変わって旭川は雨。
市長選を29日に控え、選挙の雰囲気も色濃く漂っていた。
今回は、「旭川市大雪クリスタルホール」について、
関係者に現状の説明を受けるとともに、
施設内を見学した。
主な視察内容は以下の通り。
①施設の建設の経緯
②施設の概要
③建設費
④管理・運営
⑤課題
★
まず、研修室に通される。
そこで資料を基に施設の概要を聞いた。
■①施設の建設の経緯
この施設は旭川市立で建てられたもの。
1990年(平成2年)が旭川市の開村から100年に当たる。
これを記念し、
①「歴史・文化資料館」の建設が決定される。
①に加え、②国際会議場、③音楽堂の
3つの機能を併せ持つ複合施設が建設された。
1993年(平成5年)9月に開館し現在に至る。
■②施設の概要
地下1階、地上2階建て。
駐車場は400台分(さすが北海道)。
面積は延べ床で9698.78㎡。
■③建設費
約800億円。
このうち436億円は市債発行でまかなった。
■④管理・運営
開館時間は9時〜21時。
休館日は毎月第2・4月曜日と年末年始。
収支は、
歳出:約1億7701万円
歳入: 約3816万円
利用状況は最近7年で見ると微増。
平成11年 10万4938名
平成17年 12万2161名
利用率で見ると、
音楽堂 69.5%
大会議室(国際会議場)47.3%
市の直営(つまり従事者が市の職員)だが、
一部業務を民間の委託している。
最近の「官から民へ」の流れは、
今年顕著となっているそうで、
指定管理者制度の活用なども、
急速に議論されていくという。
音楽堂では舞台などの管理に専門性が必要であり、
ほかにできる業者がいないという。
一方で清掃・警備などは、
すでに一部委託していることもあり、
非公募での指定管理者の導入は、
可能であるとの見解だった。
【国際会議場】
当初、国際会議場として使用する予定だったが、
利用者がほとんどいないので、
事実上、国際会議の場としては使用されていない。
むしろ一般の会議によく使用されているとのこと。
当初の目的を達成できなかった事例である。
結果的に別の使途での利用者が一定程度いるため、
施設が意味を成していないわけではないが、
問題提起として受け止めたい。
何事も慎重に検討し、
利用がある程度見込めることが建設の条件となるだろう。
行政と民間の大きな違いとして、
事前の準備の有無が挙げられることが多い。
一般論としては、
行政はしばしば建てることに
重きが置かれていることを指摘する声も少なくない。
民間は事業に失敗するとたちまちその存続が危うくなる。
行政は税で継続性を担保しているので、
返って事前の調査がしっかりなされない傾向があること。
民間でいうマーケティングを行政も怠ってはならない。
さいたま市は国際都市を目指していくことを念頭においており、
国際会議場の設置も
当然その一つの取り組みとして検討されていくだろう。
その際には旭川の事例を教訓とすべきだ。
【音楽堂】
立派な施設で、音楽のステージや設備などの
専門の職員を配置して対応する。
ホールは当日は北海道の団体が使用していた。
【博物館】
2006年(平成18年)つまり今年から有料に。
旭川にまつわる様々な展示等があった。
このような博物館は、
郷土史研究にも資するように思え、意義を感じた。
アイヌの文化について様々な資料があったのが興味深い。
■⑤課題
旭川市行政は、課題として、4点を挙げている。
1つ目は、施設の修理が増加していること。
開館13年であることが背景にある。
2つ目は、自主事業の入場や収支率を向上すること。
3つ目は、音楽専門職員を配置すること。
4つ目は、市民参加を促進すること。
★
アクティブ度:6047