• 「猫の手貸します」

昨日(12日)午前、午後、9月議会の代表質問。

4会派の代表質問が行なわれた。
そのうちの一つが無所属の会であり、
今回は私が質問をした(内容は下記)。

        ★

11日、12日と合計7会派9名が登壇したが、
もっとも多く質問で触れたられたのは、
障害者自立支援法の施行(10月1日)を受けての、
障害者負担の軽減・減免措置についてである。

傍聴者は2日間で約180名。
関心の高さをうかがわせた。

私たち無所属の会をのぞく、
6会派が代表質問でこの件について触れた。

私たち無所属の会では、
障害者自立支援法の
「利用料の軽減措置を求める請願」について、
代表が紹介議員となり、
その請願審議に積極的に関わることとしている。
それに加え、質問内容は他会派と
重複するすることも考えられ、
今回は質問項目に加えなかったものである。

        ★

無所属の会の代表質問として
土井が行なった質問は下記のとおりである。
なお、答弁や録画中継は、
のちほど市議会HPに掲載される。

★さいたま市議会HP★
会議録
録画中継

●●●無所属の会 土井裕之●●●

質問に先立ち訂正。
「2 震災対策について」の順番は「(2)帰宅困難者対策について」と
「(3)ライフライン従事者の出勤対策について」の順番を入れ替える。
「3 新しい公共について」の「(2)指定管理者選択の透明性について」の項目 は「選択」を「選定過程」とする。

■1 歳入の確保について

(1)広告収入への取り組みについて
さいたま市の財政は、指標を見る限り、かなり良好な状況を保っている。他の政令市などとの比較においても、常に上位に位置している。ただ、今後を考えると必ずしも楽観はできない状況だ。行政改革プランの「中期財政収支見通し」でも今年を含めた5年間で845億円の財源不足が見込まれている。歳出の削減努力とともに歳入の安定的な確保が必要となる。先日、さいたま市がHP上のバナー広告を募集し、新たな財源確保に向けて取り組みを始めると発表した。30数万件のアクセスがあることを活用するという発想だと聞いたが、財政の持続性を考えると、こうした取り組みは積極的に行なっていくべきだと考えるが、
★今後、どんな取り組みをしていくのか。お聞きしたい。

(2)市場公募債について
「財源の年度間の調整」「世代間の負担の公平」の役割を果たす地方債は、最近の傾向として政府資金の割合が減り、市場から資金を調達する「市場公募債」へシフトしつつある。さいたま市では、今後も道路や下水道などの基盤整備に費用が必要となることから、市場からの資金調達に努力していかねばならない。最近、この市場公募債について、護送船団方式といわれてきた統一条件交渉方式をやめ、個別条件交渉方式をとり、個別に金融機関などと交渉することを決定した自治体が増えてきた。総務省の意向も、公正取引委員会の見解を汲んで個別交渉を奨める方向に転換したと聞いている。
★今後、さいたま市は市場公募債の発行について、個別条件交渉方式をとるのか。

今後、投資家と個別に交渉していくとなると、自治体の格付けなどにより発行金利に差が生まれる。金融機関を通じた投資家に対し、どんな努力をしていくか、その力量が問われることとなる。
★これまでのIR活動と今後の活動について聞く。

■2 震災対策について

(1)災害対策本部について
震災が起きた際、市には、災害対策基本法を根拠にし、地域防災計画の定めるところにより、災害対策本部が設置される。この本部が機能することにより、速やかな現状把握や人命救助、2次災害の防止策、救援物資の配布などがなされていくと考えられる。住民が避難するために避難訓練があるように、緊急時に本部が機能するために、平素から訓練をしておく必要がある。
★本部の対応訓練を行なう予定はあるか。

(2)ライフライン従事者の出勤対策について
災害で避難した住民が家に戻り普通の生活に戻るまでには、電気や水道、ガスなど、ライフラインの速やかな復旧が必要である。そのために、災害発生直後から、ライフラインに従事する労働者を確保することが必要となる。さいたま市において、このための対策はどのようにとられているか。
★出勤対策について、民間企業の状況を把握する必要があると思うが、どうか。

(3)帰宅困難者対策について
災害について、市内の取り組みを充実させていくことはもちろん重要なことだ。一方で、さいたま市には東京への通勤・通学者が多数在住しており、平日昼間に震災が発生した場合、交通機関が使用できなくなることによって多数の帰宅困難者が発生することが予想されている。東京への通勤者は貴重な納税者であり、帰宅困難となる人たちへの対応も市としては欠かすことができない。
★さいたま市として想定している帰宅困難者は何人か。平日昼間の発災という条件で、お聞きしたい。

私はこの夏、都心から市役所まで20数キロの道のりを歩いてみたが、水とトイレの確保は最重要であることを身をもって実感した。帰宅困難者対策として、八都県市が共同で、コンビニエンスストアやガソリンスタンドと協定を締結しているが、
★これに限らず他の業種に協力関係を広げていく努力をしていく必要があると思うが、そうした考えはあるか。

■3 新しい公共について

新しい公共という考えの下、社会全体が変化を続けている。財政的に厳しい状況であることから、民間にも公共の担い手となってもらうという発想は、継続性という視点からも重要であるし、サービスの受け手である住民にとっては、サービスの向上やコスト削減という面から効果が見込まれる。しかし、一方で市場化、民間化の「負の側面」にも目を向けていかねばならない。昨日も質問で何度か触れられていたが、他市で起きた市営プールにおける死亡事故は、大局的には「民間委託」という民間化のもたらした事故であるとも言い換えることができる。行政も間違いを犯すことがあるが、公共を担ってきた歴史が長く、ノウハウが蓄積されている。それに比べ、競争を前提として存在する民間の団体・組織は、安全面などに課題があることが危惧されている。市場化、民間化の効果を充分に発揮しつつ、負の側面をいかに最小限に食い止めていくのかという考えの下、以下3点にわたり質問する。

(1)市場化テストについて
今年5月、「公共サービス改革法」が5月に成立し、今月5日には国の基本方針が閣議決定された。市場化テストは、単純化すれば、現在行政の担っている事業について、行政職員と民間企業とがサービスの質やコスト削減などで競争し、勝ったほうが仕事の担い手となる、というもの。行政職員の仕事には大きな影響をもたらすもので、雇用が不安定になる可能性があることから危機感がもたらされ、これが職員の意識改革につながるといわれている。つまりサービスの向上やコスト削減だけではなく、職員の意識改革をもたらす効果が想定されている。この市場化テストについては、すでに何人かの議員によって質問されているが、その際にはまだ制度が具体化されておらず、そのために明確な答弁はなかった。今年に入り法律ができ、実際に動き出そうとしている現在、
★さいたま市ではどのような考えの下、この制度に対応していくのか。これまでの検討状況も含め伺いたい。

そもそも、市場化テストの導入前に、適用しようとしている事業自体が必要かどうか、精査する必要がある。市場化テストを導入するということは、その事業の継続が前提となることから、
★市場化テストに踏み込む前に、各事業の必要性についての検証が必要だと考えるが、見解を伺いたい。

この市場化テストにおいて、もっとも行政職員に関心が高いのは、官民競争で職員が負けた場合の職員の処遇ではないか。
★将来、官民の間で競争が行われた際、行政が民間に負けた場合の職員の処遇をどのようにしていくのか伺いたい。

(2)指定管理者の選定過程の透明性について
この点については無所属の会をあげて、かねてから主張してきた。HPを見ても、適用した各施設の指定管理者の選定過程はいまだ示されていない。これから2〜3年の間に、新たな施設で制度が導入されるとともに、これまで適用された施設において指定の期間が終了し、新たな指定管理者の選定の機会を迎えることとなる。改めてこの時期に透明性の確保について確認しておきたい。
★選定結果の内容については、少なくともホームページ上に選定過程を示しておく必要があると考えるが、どうか。現在の研究状況も合わせてうかがう。

また、この機会に選定委員会のあり方についても、行政職員だけで行なわれている点や、内容の非公開の方針などについては見直しが必要性だと考えている。
★この点について現在の検討状況をうかがう。

(3)公益通報制度
公益通報制度は、民間企業の不祥事が内部告発によって明らかにされ、消費者の被害に至らなかった点を汲み、内部告発者の保護など規定したものだ。先ほど触れたように、市場化・民間化の効果は最大限生かし、負の側面は問題が起きる前に取り除かねばならない。行政によるチェックも、随時監視するのは、コストの面から見て困難だ。現在の財政運営の範囲では、この公益通報制度を積極的に活用することにより、実質的に事故や事件を未然に防ぐことにつなげられるのではないかと考えるが、
★まず、これまでの通報件数と公益通報として受理した件数を聞きたい。そのうち調査を行ない事実が認められ是正措置がとられた件数もお聞きしたい。

この制度の対象は413本の法律に渡るが、さいたま市に置き換えれば、複数の所管にまたがっており、それぞれで通報者の保護などのための配慮が必要だ。
★この間、行政としてはこの制度に合わせ、どんな準備をしてきたのか。

先日、設置の発表があったコールセンターは夜9時までであり、市役所の開庁時間の午後5時を過ぎても市に連絡がつくこととなる。
★時間外に公益通報の連絡があった場合、どのように対応するのか。

■4 行革推進プランについて

つい先日、行政改革推進計画の実施状況について報告があった。昨年は約50億円、昨年までの5年間で約200億円の財政的効果があったとのことだ。この努力には敬意を表したい。しかし、すべての職員が一致団結し行革に当たっているとは言いがたい。所管によって温度差を感じることがある。この点について、今年の2月議会で細川議員が質問した際、職員によるプラン策定や市長による指示の話は答弁に出てきたが、末端の職員に至るまで、どのような形で意識改革を進めるなど実質的な行政改革を進めていくのか、といった話には言及されなかった。そこで改めて伺いたい。
★行政改革推進プランが着実に推進されるため、職員に対し、どんな意識改革のための取り組みが必要だと考え、実施しているのか、お聞きしたい。特に、プランの推進が遅れている事業については、担当所管に対しどのような働きかけをしているのか、プランの進捗状況も含めお聞きする。

■5 児童福祉への対応について

児童福祉の現場は、課題が山積している。実際の現場には、深刻な問題がいまだ存在しており、現場職員の献身的な努力により成り立っているのが実情だ。複雑多様化した問題の解決は簡単ではなく、施設や従事者を増やせばいいという単純な話ではない。現在、さいたま市において、こうした児童福祉の現場で大きな役割を果たしているのは、「児童相談所」である。児童虐待による子どもの保護に限らず、子どもに関わる様々な相談を受け付けている。児童相談所が今よりもさらに機能していくことが、深刻な問題の解決に成果を上げていくことにつながる。現在、児童相談所は各区の家庭児童相談室との連携を深めつつあるが、児童相談所が、より自らの役割に特化して仕事に当たることができるようにするには、なるべく各区の支援課において課題を解決できるよう、各区の相談体制の質を高めていくことが求められる。こうした点を念頭に置き、以下質問する。

現在、各区の相談体制は、支援課担当職員と相談員の2人体制であるが、その一方である担当職員がせっかく蓄積したノウハウを、人事異動により白紙に戻してしまっているのではないかと危惧している。
★この担当職員の蓄積の引き継ぎは、どのように行なわれているか。

相談室においては、実質的には、専門家の家庭児童相談員が重要な役割を果たしている。以前、この相談員の雇用の継続性という視点から、添野議員が「相談員の常勤化」について質問した際、「現時点では困難」との答弁があった。
★その後、この点についてどう考えているのか見解を伺う。

各区の支援課内に家庭児童相談室が設置されている。担当職員・相談員が、各区に訪れた相談者の相談を受ける。その相談のための部屋が設けられている。他の業務と兼用もあると聞いているが、いずれにしても児童に関する相談内容は、プライバシーの観点から、かなり配慮が必要ではないか。そう考えると、
★家庭児童相談室の相談場所は、プライバシーへの配慮が必要であると考えるが見解を伺いたい。

(以上は「原稿」であり、実際の質問と異なる部分があります。趣旨は変わりません)

【再質問】←要旨(原稿なし)
①指定管理者の選定過程の透明性について
PFI手法で建設されているプラザノースについては、選定の過程やその結果など様々な情報がさいたま市のHP上に掲載されている。PFIでできている以上、指定管理者で できないということにはならない。見解を伺う。

②児童福祉について
各区の過程児童相談室の相談部屋のプライバシーに充分配慮されていないという声があるが、調査したのか。調査し、改善するところは改善すべきではないか。見解をうかがう。