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昨日(9日)午後、医療現場の現状と課題について、
現役で医者として仕事をされている方に話を聞いた。

今議会で決算の審査が行われるが、
そのうち企業会計には3本あり、
そのうちの一つが「さいたま市立病院」の会計である。
その審査の準備のため、
医師の方に話をお聞きする、
というのが今回の趣旨であった。

結局、議会全体の案分で、
私は企業会計ではなく、
普通会計の決算に回ったため、
10月6日の最終日の決算認定の審議のみ、
かかわってくることとなり、
具体的な点は審議する機会がなくなってしまったが、
医師であるだけに話の内容は、
具体的な提言も含み、示唆に富んだものだった。

以下、話の抜粋。

   ★   ★   ★ 

●さいたま市立病院について
ご自分のご家族が診療を受けた経験から、
・診療レベルが高い。
・セキュリティにも配慮されている。
・顧客満足度も高い。

●病院の経営
・公立病院の赤字について、
 公立病院は「不法就労者」など、
 民間病院が受け付けない患者を受け入れている。
・病院は寄付により経営を成り立たせている側面がある。
 特に設備投資などを寄付でまかなうケースがある。
・現在の医療の法律を全部守っていたら、
 経営は成り立たなくなるだろう。
・規模のメリットは一つの視点だ。
 ある国の病院は合併し3000床の規模に拡大したが、
 それによって麻酔医が50人確保できた。
 充分に休暇をとることができるようになった。
 専門化がたくさんいると休暇が取れるようになる。
・病院が小さいと効率は悪くなる。

●病院の課題
・公私かかわらず、学閥が大きく影響している。
・労働条件に大きな差が生じている
 一人の医師が抱える物理的な量が過大となり、
 負担が大きいケースがある。
 産婦人科や小児科医はまさにこの状況にあり、
 従事する医者が負担を背負う状況となっている。
・日本では、どの診療課によっても
 収入に差がない点が特筆すべき点だ。
・女医が出産を機に仕事をやめるケースが少なくない。
 医師の確保という観点から、
 病院内に保育所を設けることが必要だ。
 また、他国では、出産後しばらくは勤務医を離れ、
 午後5時に確実に終わる仕事に回してもらう。
 これにより、民間の保育所に預けることが可能となる。
 こうしたシステムが確立している例もある。
・政治家の特権がまだ存在する。
 自分でも議員秘書からの連絡をもらったことがある。
 この特権をまずは禁止しなくてはならない。

●現状への提言
・病院法(基本法的なもの)が現在存在していない。
 これを作る必要がある。
 産婦人科医や小児科医を「何人確保しなくてはならない」
 と法律文に書き込めばいい。
・医療過誤のうち、医師の責任とはいえないケースもある。
 ある国では、医療過誤があると、
 医師や病院よりも政府が追及される。
 「なぜこうした問題を放置していたのか」と。
 それを受けて政治が制度や規制を作る。
 そんな循環がある。

●必要のない医療費について
・総医療費は約30兆円。
・医療費の内訳は、技術料は低く、
 薬の売り上げによるところが大きい。
・終末期医療の見直しが必要だろう。
 欧米では、「体」の病は医師、「心」の病は宗教者、
 という役割分担が確立している。
・日本の過剰な終末期医療は、
 この「心」の病に対する相互作用であり、
 「最後まで手を尽くした」という形の現われだ。
・日本でもそうした試みをしている病院もある。
 
以上。30分の予定が60分に。
大変興味深い話が盛りだくさんで、
まだまだ消化不良であった。
こうした話を少しでも生かせるよう努力をしていきたい。

以上のうち、
・特権をなくすこと
・医療過誤を政治の責任とすること
・病院の規模のメリットの視点を持つこと
・終末期の「心」の病への対応を考えること
は特に政治分野に
大きく関わりのある部分であり、
役割を発揮しなければならない部分でもある。