ある自主研究会に参加した。
研究内容は、「フロリデーション」。
「フッ素」が健全な歯に寄与することは、
すでに広く知られている。
市販の歯磨き粉などに
含まれていることは言うまでもない。
私自身が、最近、歯医者で
それを使用することを薦められていた。
このフッ素を水道水において
濃度調整することを
「フロリデーション」というそうだ。
これを日本国内で実施することを提唱している
専門家を招いての研究会であった。
講師は
境脩氏(福岡歯科大学名誉教授)
小林清吾氏(日大教授)
境氏は、
NPO法人 日本むし歯予防フッ素推進会議
の会長である。
初めて聞く人にとっては、
フッ素が水道水に含まれることへの
違和感があるかもしれない。
「塩素」による殺菌の功罪が議論される昨今である。
私自身が、
フッ素による虫歯予防の効果は聞いていたものの、
あくまで個別に行なうべきものと考えていた。
しかし両氏の説明を聞き、
考えが大きく変化した。
以下、研究会で知った主な点である
▼フッ素について
・フッ素は天然に存在するもの。
・私たちが日ごろ食している
「エビ」や飲料水などに含まれている。
その濃度には大きな幅がある。
・水道水にもすでに含まれているところもある。
つまり長年フッ素が合有された
水道水を飲んでいる地域もあるということ。
・地形の関係から、
水道水に含むという方法でないことが
適切なケースもある。
・歯の形成や表面への作用
▼世界の動向
・すでに60年の歴史がある。
・世界的な潮流である。
・世界60カ国以上で実施され、
4億500万以上の人々が、
フッ素合有の水道水を使用している。
▼フッ化フロンティアのアメリカ
・アメリカでは1億人以上が、
その影響を受ける立場にある。
・約60年前、グランドラピッド市から始まった。
・現在各種団体がその推進団体に名を連ねている。
・根強い反対運動もある。
▼日本の現状
・下仁田などで限定的に行なわれているが、
水道水への取り組みはまだない。
・厚生労働省は世界の潮流を踏まえ、
その効果を認めて、
「自治体からの要請に応じる」としている。
・法律上、「0.8ppm」以下であれば、
今すぐにでも市町村の判断で実施できる。
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議員という立場上、
この件に限らず何事においても
安易に飛びつくのではなく、
慎重な姿勢が必要だと考える。
▼が、もしこの方法でむし歯予防ができるなら、
水道水に関わる多くの市民が、
歯の治療代を軽減し、
豊かな生活を送ることができるのでは、と想像した。
私自身が最近、
虫歯の洗礼を受けた1人であるだけに、
そのつらさ、痛さは痛感しているところだ。
経済的にも…。
▼また、今すぐにでも実施できるのに、
政治的・経済的理由で実施しない、
ということならば、
虫歯になった人たちからすれば、
法律で言う「未必の故意」
のようなものに相当するのではないか、
といったことも考えた。
これが本当ならば、
政治・行政への不信感を
高めることにほかならない。
▼水道事業は市町村の事業。
さいたま市の議会・行政も
やるか、やらないかの判断をする立場にある。
もちろん財政的観点からの課題もあるだろうが、
これで国民健康保険財政が圧縮できるならば、
差引で財政的にも大きく貢献する
こととなるのかも知れない。
▼いずれにしても、
現時点では断定的にものを
言えるだけの立場にはないが、
今後この件については、
具体的なことを調査・研究するなど、
自分なりに積極的に
関わっていきたいと考えている。
【政調費】
交通費:スイカでの支払い