• 「猫の手貸します」

視察3日目の18日は、
岡山市主催の事業仕分け作業の傍聴。
17日に他の議員と行動を別にし、
一人で岡山市に乗り込んだ。

■事業の仕分け作業とは?

●「構想日本」という
民間シンクタンク団体の主導で、
これまで14の自治体で、
15回行なわれてきた。(横浜市は2回)

現在30〜40の自治体からの
問い合わせ等が届いているという。

私も横浜市で実施された
過去2回の作業に参加させてもらい、
刺激を受けている。

●行革の一環で行なわれるもので、
その自治体職員担当者の説明の後、
自治体の行なっている各種事業の点検をし、
参加者により「不要」「民間」「国」「県」
「その自治体(但し改善要)」
「その自治体〈現行通り)」
のどれかが選択されるというもの。

ここで言う「民間」とは委託は含まず、
お金の調達も含め、純民間という意味である。

●事業の仕分けで最も重要とされているのは、
「公開でおこなわれること」
「外部の発言を入れる」の2点。

この結果によって、
実際に事業に影響があった
自治体もあるという。

また、国はすでに導入を決めており、
全国に波及していく勢いだ。

■岡山市の実施の特徴

今回の岡山市の特徴は、
岡山市民が事業の仕分けの
主体となることである。

これまでは、民間企業で働く人、
自治体職員、地方議員、ほか、
そうした特定の人たちが数人集まり、
喧々諤々の議論ののち、
先ほどの分類を選択していた。

岡山方式は初めての試み。
市民は少なくとも50名くらい参加していた。

■2.18岡山市での実施の状況

まず、主催者からの挨拶。
構想日本・富永氏から説明。

●その後、順次、5つの事業について、
①担当者からの説明
②自治体職員有志からの質問
③参加岡山市民からの質問
④選択肢の選択→スタッフが回収
が行なわれた。

●5つの事業とは以下の通り。
「水質発生源常時監視業務」
「市営駐車場事業」
「指定統計の実施」
「三丁目劇場の管理運営」
「日本女性会議への市民派遣事業」

●特筆すべき意見は以下の通り。

・この仕分け作業は
 市民による決定の場となるのか
→「拘束力を持つわけではない」
・収支状況に人件費が含まれていないなど、
  資料が不充分だ
・補助金をもらった産業は衰退している。
 商店街は自助努力で活性化を。
・行政とは何ぞやを考えるべき

●集計結果は、
すべての事業で
「岡山市(但し改善要)」が多数となった。
とくに3事業では過半数。

■傍聴をした感想

●官民の協働
今回の試みは岡山市行政という官と、
構想日本という民の協働事業である。
しかし参加者からは度々、
構想日本に対する違和感の意見が出された。
そのたびにストップした。
事業の仕分け作業が、
「スクラップをする場」
と認識されていたようだ。
官民の協働の難しさを肌で感じた。

●事業仕分けの事前の準備
参加した市民の多くから、
それぞれの事業の継続を
強く望む声が続いた。

しかし、岡山市の全体の財政を示す指標が
事前に提示されていたら、
また、納税という視点の
説明が事前にあったら、
結果は異なっていたのかもしれない。

公平を期するためのも、
また、要求型の雰囲気を回避するためにも、
こうした事前の準備は必要だ。
とくに市民が主体となる時は
気を使わねばならない。

下手をすると、
予算の肥大化を助長することになり兼ねない。

●会の終わりに、
参加者から、同様の試みの
継続を望む声が上がった。
参加者からは積極的な意見が相次ぎ、
最初の試みとしては
成功だったのではないか。

■今後のさいたま市での実施について
すでに仕分け作業を見てきて、
その実効性は間違いないと思う。
さいたま市でも実施するべきだ、
と率直に思っている。

現在さいたま市の行革で
行なわれているのは、
事業の一律削減にすぎず、
ほとんど廃止に至っていない。

ただ、やり方には工夫が必要だ。
効果の上がるやり方を、
これまでの様々な自治体の事例を参考に、
検討する必要がある。

私は議会が主催できたら、
と思っている。
議会は恒常的な行革機関である。
事業の仕分けには、
政策のスクラップ&ビルドという、
議会が担うべき要素が詰まっている。

構想日本HP
構想日本HPの岡山市での実施の案内

【政調費】
交通費:16860円
帰りの新幹線(岡山―東京)
JR電車代(東京―南浦和)

※傍聴代金は無料