■ドラッカーの遺言
■ドラッカー著/講談社
昨年11月に95歳で人生の幕を閉じたドラッカー。
最近、ドラッカーの著作を読む
時間がかなりの割合を占めている。
自らを社会生態学者と名乗っていたが、
その洞察や分析は、
過去ばかりでなく
今のこの社会を見る視点を与えてくれる。
本著は昨年7月にインタビュー方式で
やり取りされたものを明文化したもの。
以下、印象に残る言葉を挙げる。
●異なる価値観が共存する世界がやって来る
●情報技術に裏打ちされた、
非常に大きな力によって
世界経済は補完されていく
●日本が今すぐ取り組まねばならない課題―
それは、時代が変わったことを認め、
その変化に対応していくための意識改革
●あなたたち(日本人)の多くが
「問題重視型」の思考に囚われていて、
「機会重視型」の発想を持っていないことを危惧
●私は、「生まれついての能力」
というものを信じません
●知識労働が中核をなす
「知識社会」の進展に伴って、
私たち一人一人に強く要求される
ようになってきたことがあります。
それが―個人のイノベーションです
●自分が何を得意とするのかを知り、
磨きをかけていく―
これこそ個人のイノベーションの要諦であり、
成果を挙げ続けていくための唯一の方法です。
ドラッカーの言う「イノベーション」とは、
日本語に置き換えれば、
「反省による成長」と言えるのかもしれない。
今後「個人のイノベーション」が必要だ、
というメッセージである。
ドラッカーの著作の最後が本著となった。