• 「猫の手貸します」

昨日(17日)、民権塾に参加。
師事する田中秀征先生が塾長である。

これまで4期開講されてきたが、
約2年ぶりに第5期が開講されることとなった。

今回は、塾長により、
①昨日の小泉首相の靖国神社参拝
②先日の衆議院選挙
③前原民主党党首について
④質疑応答

の話があった。

以下、印象に残る点を抜粋する。

1.昨日の小泉首相の靖国神社参拝

細川政権成立のころ、
冷戦構造の崩壊で、
それまで棚上げになっていた
日本の戦争における認識を
明確にしなければならなかった。

日本の戦争における行為について、
「侵略」「植民地支配」という言葉を、
細川政権、村山政権で使用した。
小泉首相も自らの発言で触れている。

小泉首相は自民党では
もっとも歴史認識を持った人間だった。
今でも本当にその認識を持っている。

その認識の上にたっての参拝であるが、
戦犯は処刑され、責任を取っている、
との認識で靖国に参拝している。

「ぶれてはいけない」という信条も重なり、
おそらく来年の退任前に参拝に行くだろう。

1945年にポツダム宣言受諾。
  このとき、戦争犯罪人の厳重な処罰
  についても盛り込まれていた。
 ↓
東京裁判
  ここでABC級犯罪人が処罰される。
 ↓
サンフランシスコ講和条約
  東京裁判の結果を受諾
 ↓
国連加盟の申請書を提出
 ↓
国際社会に復帰

戦後、日本が国際社会の一員となるまでには、
こうした流れがある。
これを否定することは、
アメリカも含めた連合国を相手に回すということ。

ただ、東京裁判は確かに問題もある。
人道的な罪、という面では、
事後成立した法律の適用問題や、
原爆の使用が最もそれに当てはまる行為だ。
東京大空襲なども含め、
この点は日本が言っていかなくてはならない。

歴史認識は外国から言われる話ではない。
日本はあのようなことを2度と犯してはならない。
大日本主義を2度と繰り返さないことが大切だ。

2.衆議院選挙について

郵政に反対した議員たちの読み違え
・解散の有無
・民意(多数意思)=有権者

首相はすでに1月の施政方針演説の際、
「郵政」について自分で書いた文章を盛り込み、
・基本方針
・成立期限=今国会中
を明確にしていた。

これができなかった場合の責任の取り方は、
・内閣総辞職…郵政をあきらめる
・衆議院の解散…新たに多数派を編成して再挑戦する
という2種類で、小泉首相は後者を選択した。

この過程で党内の基盤との
亀裂を恐れない姿勢が国民に見えた。
民主党こそ党内で戦わねばならなかった。

日本の財政状況を心配する国民が多い。
増税の不安を多くの国民が感じている。
財政再建の順番は、
  政と官の上費の削減
    ↓
  納税者の負担
であり、政党助成金の債権まで凍結することや、
定員削減やそう議会費を半分にするなど、
大胆にやらねば財政の解決はできない。

3.前原民主党党首について

以前同僚だった。
・自前の基盤がある。
・マクロからの問題意識を持っている。
この点は期待できる。

ただ、「集団的自衛権」にこだわりがあり、
この点には納得できない。
これについては、
自民党はむしろ前原氏をほしいと思うだろう。
もしかしたら大きな政界再編の入り口かもしれない。

4.質疑応答について

①首相公選制度について

小泉首相の誕生で
実質的な首相公選制度のようになっている。

憲法を白紙から作るなら、
首相公選制を盛り込むこともありえるが、
そうまでして憲法を改正することはない。

②選挙制度について

現在の衆議院選挙の
・地方比例
・重複立候補の比例復活
は現役主義。

選挙は新しい優秀な人材が
登場できるような機会となるべきだ。

③常任理事国について

「なるな」とは言わないが、
「なりたがるな」と言っている。

むしろ任期無し・選挙無しでありながら、
理事国の軍事的特権、
言い換えれば「侵略の自由」をもっている
常任理事国制度は、
それ自体を問題とすべきで、
拒否権を薄めることが必要だ。
日本はこれを言っていくべきだった。