• 「猫の手貸します」

聖学院大ポリシーカレッジの第2回の講義に参加。

テーマは、ニューパブリックマネジメントン
     の意義とアウトソーシング
講師は北海道大学院学長の宮脇淳氏。
12時45分〜16時過ぎまで。
場所は新都心の産学交流プラザ。

宮脇氏の話は、
「新しい公共」の現状から、
今後の課題まで歴史的経緯も含め、
広く触れられていた。

大切なキーワードは、
「市民と市民がつながる」
という点であった。

また、「公共性」「公務員」とは何か、
といったこれまで触れられなかったことを、
根本から議論する必要性を述べていた。

以下、宮脇氏の講義と質疑応答の主な内容。
4点の課題に答える形で講義があった。
①今求められている「パートナーシップ」の本質は何か。
②①で整理した「パートナーシップ」を現実のものに
するための手段として重要なものは何か。

③自治体職員の意識改革のために有効な手段は何か。
④住民との情報共有を進めていくために有効な手段は何か。

これからは「公務員」の概念の再生が必要。
今まで:行政が実施主体として公共サービスを提供。
これから:行政機関が公共サービスや公共性の提供を担保。

戦後すぐ、ミャンマーの経済規模と同等だった日本経済は、
急激に成長し、経済大国となって今に至った。
右肩上がりの際の効率化のポイントは、細分化・縦割り化。

ところが人口減少の中、
求められる「効率化」の中身が変わってきたのである。

これまでは、
行政=公共サービス
企業=営利
という「主体論」で論じられてきた。

しかしこれからは「関係論」。
行政・企業・住民の関係性の持ち方が問われる。
それぞれサービスの提供主体でもあり、
提供される立場ともなる。
縦型ではなく、
横型ネットワークにつながる。

住民が対象ではなく、
「地域」のあり方が大切。
その際、地域の「価値観」の明確化が求められる。

官と民はそれぞれ分かれて存在してきたが、
今後は中間領域が存在することとなる。
ところがこの中間における準備が足りない。

鍵は、市民と市民をつなげる制度。
・志木市が総合受付を住民に委託した。
・太田市が図書館をNPOに委託した。
・市川市がNPOへの補助金対象を納税者の投票により決定

これらに共通するのは、
役所の中に市民を入れること、
または市民と市民がつながること。
これにより情報も市民の中に浸透していくだろう。

市民も自分自身で勉強し、
別の市民と接することとなる。

何によってやるかは、地域によって異なる。
「地域」は、行政の区画に限定されない。