• 「猫の手貸します」

さいたま市政報告&2014年を振り返ります。
●2014年が終わりを迎えています。どんな一年だったでしょうか。●健さんや文太さんが亡くなったり、号泣議員や楽曲ゴーストライター、STAP細胞などの虚飾に満ちた会見など、話題に事欠かない一年でした。●そんな中、世の中は12月の衆議院の解散・総選挙を象徴に、ますます混沌とした感があります。経済・財政問題、格差問題、超高齢化社会・安全保障問題…本格的な社会の転換期に差し掛かり、大きく進路変更しつつあることも一因でしょう。
●以下、持ち場のさいたま市政報告や私の活動報告を込め、今年一年を振り返ります。今年は特に志を持つ民間団体の方々と新たな一歩を踏み出す取り組みを積極的に行ってきました。ご覧頂き、ご意見をいただけましたら幸いです。いつもながらの文字の多さは、熱意の現れということでご容赦ください。
●私の活動報告は主に「フェイスブック」「ツイッター」で行っています。随時、発行物も郵送・ポスティングをしています。こちらもご注目ください。来年4月末で、今回の4期目の任期が終わります。同月には市議選(4月3日告示・12日投票日)が予定されていますが、2月議会を残す中、まずは任期を全うすることに全力を尽くします。
●1月1日、年明け早々ですが、毎年恒例である「初日の出小旅行」に出かけます。知られていないような場所で、静かにご来光を見詰め、新しい年にむけて気持ちを切り替える機会となります。12月31日の23時30分の時点では、まだ行先を決めていない旅。後ほど、新年最初のアップにて報告させていただく予定です。良いお年をお迎えください。そして新年がさらなる希望の年となるよう、祈念いたします。
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■職員逮捕事件
●10月に市職員が逮捕された。「官製談合」「収賄」の容疑で現在裁判中だ。まだ真相究明は道半ばである。●この職員は2009年と2010年、秋ヶ瀬公園のカマキリ風遊具の修繕を発注。約1000万円支払われたにもかかわらず、受注した業者は手をつけていなかった。さらに自宅のガレージを無償工事させていた。●裁判を待たず、行政は内部調査を実施。市議会は重大な事件と認定し、臨時議会を11月12日に、特別委員会を12月17日に開催し、行政からの報告を受けた。全庁調査で今のところ問題は見つかっていない。逮捕された職員のいた公園事務所の文書134件は、警察から返り次第、調査を開始する。
■「納税者主義!!」…行政改革の現在
●私が掲げた「納税者主義!!」は「無駄遣いをやめ、納税者の納得する税金の使途を」とい思いをこめたスローガン。清水市政の2期目、行政改革は「都市戦略本部」に再配置され継続している。「事業仕分け」をヒントにした「行革公開審議」は毎年夏の恒例行事となったし、議会でも決算委員会で「行政評価」を行っており、恒常的な税金の市と見直し作業が行われている。●とはいえ、いまだ課題はたくさん残る。年齢で一律にお金を配る「敬老祝い金」も、住宅あまり時代に税金で運営する「シビック天沼住宅」も妥当性を疑われる。増税の前にやるべきことはある。
■クリテリウム…文化・スポーツにも税金を
●「自転車競技に3億円も投じる野は無駄遣いだ」との意見もある。ただ、このご時勢、油断すると文化やスポーツの予算は、年々減額されていく。しかし、これらの分野もまた税金で行うべき一定の役割は必ず残ると考える。●ツールドフランスの運営会社ごとクリテリウムを誘致できたことで、世界一流のプロスポーツ選手を目の前で観戦できるし、世界の100を超えるテレビで中継される。当日の人の出入りも含め、周辺地帯への大きな経済効果も期待できる。●「世界3大スポーツがさいたまにやってくる」と華々しく実施された第1回大会は、思わぬ追加補正予算が発生し、最後は「専決処分」という政治的決着となった。その第1回の反省を踏まえた10月25日の第2回。秋晴れの中、1万人の来場者を迎え、協賛金も予定金額をクリアし何とか面目を保った。●今後予定されている文化・スポーツイベントとして、クリテリウム(毎年年10月下旬)国際女子マラソン埼玉(2015年11月15日)、文化芸術祭「さいたまトリエンナーレ」(2016年8月~11月)、「第8回世界盆栽大会」(2016年)、サッカーとバスケが当市の会場となる「2020東京オリンピック」など、文化・スポーツの大きなイベントが目白押しだ。税金を投じる正当性を市民にきちんと説明し実施に結び付けたいものだ。
■防災
●選挙直前に「東日本大震災」が起き、防災は私の最重要のテーマとなった。今年も全国で多くの災害が発生し、犠牲や被害が出ている。▼冬には、雨をともなう雪害で屋根やビニルハウスの倒壊、ライフラインの寸断などの被害が出た。▼9月には、広島での土砂災害で多くの犠牲者が出た。山の麓で、そもそも人が住める場所だったのかと指摘された。検証や見直しが求められる。▼10月の火山噴火の際には、さいたま市内への降灰対策について確認したが対策はこれからだ。▼11月の長野の大地震は、幸い死者は出なかったが、地震の恐ろしさを倒壊家屋の映像で再確認。12月19日の政府発表では「さいたま市は30年以内に大地震に遭遇する確立が30%→51%へ」(「全国地震動予測地図」より)。年明けには阪神大震災から20年。大地震発生を常に年頭に起きたい。●「釜石の奇跡」をヒントに「共助の担い手として中学生への防災教育を」求めていたが市教育委員会が採用。今後、地域防災活動に中学生も加わり、各地で世代を超えた防災対策を進めたい。
■超高齢社会、10年後に向けて「住む」「働く」を柱に
●約10年で75歳以上の人口が急激に増える首都圏の一角に、さいたま市は位置している。年金削減、介護負担増、生活費や増税など負担増、などなど生活は厳しさを増すだろう。さらには、介護や医療は、財源の不足から従事者不足や別途数の不足などで、十分なサービス量を確保できない。追い詰められた家族介護では団塊ジュニア世代も巻き込まれ、皆が不幸な環境となる。●今、正確に将来を見据えるため各種の調査を続けている。介護の制度は来年4月から大きく変わるが、政府主導の動きだけでは、10年後には対応できないだろう。介護殺人や虐待が起きるなど、すでに未来ははじまっている。●「新しいコミュニティ」と言うべき提案がある。小学校区くらいの地域ごとに「コミュニティ相談員」を配置するというもの。あらゆる相談をワンストップで受ける。担当者は当面退職行政職員が有力だろう。知見とネットワークを駆使し、行政や専門家に引き継ぎ課題解決を目指す。高齢者となっても「住む」ことができるように。●「現役世代を圧迫する」との理由で高齢者は働けない環境にあったが、これは改めるべきだ。生活の糧であるお金を稼ぐのはもちろん、社会の中で自分の役割を認識する機会でもある。
■「非行政」の社会の課題解決機関を創る
●今、公務以外で最もエネルギーを割いているのは、志ある民間団体の関係者とともに、行政が担っていなかったり、苦手としている領域の担い手を創る作業である。税金で運営される行政は、もはや限界で新たな出費は望めない。それでも複雑多様化する社会の課題を解決するための機関は必要である。それを民間団体で担っていく、というイメージである。▼市内の障害者作業所は、見沼田んぼで農業就労に兆戦。見沼10代目農家の支援を得て、枝豆を植える作業を行った。来年につながる挑戦であった。▼木質チップ発電づくりは、まだ行政との交渉段階。原発に依存しない環境づくりを、さいたまで進める意味をこめている。言うほど簡単ではない「まちなか発電所」。ビジネスモデルとして、どう収益を上げるか、資金用達をするか、という話から、原料は安定的に得られるのか、発電技術が確立するまでどのくらいの機関が必要なのか、などなど、乗り越えねばならない課題は山積するが、継続して可能性に向かう。▼高齢者のサロンを10年継続してきた団体が、新たに学童の受け入れを検討している。行政ならではの規制があり簡単ではないが、高齢者と子ども、そしてその親たちの繋がりを地域的に創ろう、という意欲的な取り組みを何とか実現させたい。▼がん闘病記図書室も2年目。がん患者を含む民間団体が主になり、市担当者が基盤を用意し、7月に実施。単に関連本を置くだけではなく、がん患者が相談者に対応するピアサポートなどの特徴がある。NHKの朝のニュースで報道されるなど大きな反響があった。常設の図書室設置を目指している。
■児童虐待への対策の現状
●議員活動の最重要課題として取り組む児童虐待問題。「児童相談所」など市職員や民間団体の関係者が、献身的に継続して業務に従事している姿を見てきた。虐待の件数や傾向は、近年の増え続け複雑多様化している。●施設擁護から家庭的擁護へ、というのが世の流れ。日本は欧米に比べ、この点で遅れをとっていると言われる。その教訓からさいたま市でも里親委託や、小規模ファミリーホームの設置が進められてきた。しかし里親委託は、委託した時点で児童相談所の役割が終わるわけではない。むしろ委託先の里親家庭において預けた子どもがうまく順応できないなどトラブルが生じると、児童相談所は里親支援という新たな役割に頭を抱えることとなる。福岡市の「子どもの村」の例を見ても、里親支援は必ずしも児童相談所がやらねばならない業務ではない。里親支援に精通した民間団体に任せることを視野に準備を進めている。●18歳の児童福祉法の枠を超えたものの、社会に出てもすぐに自立できない若者がしばらく身をおく「自立援助ホーム」。以前に比べ、安定した運営ができるようになったようだ。若者同士で励ましあう姿も見えてきている。●児童虐待をテーマとしたミュージカルの団体の公演にもささやかながら協力した。実際に虐待を受け、今も苦しむ人も活動している。素人集団が、沖縄アクターズスクール出身者を演出家に、本格的な取り組みを目指しているもので、ぜひ大きな団体に成長してほしいと期待している。
■政務活動費
●号泣県議はじめ、全国の自治体議会で問題視されている。「市政への提言」「行政監視の能力」を高めるため活用するもので、「機能する議会」のためには必要な経費である。●さいたま市議会では、個人に「月20万円」、会派に「月14万×所属議員数」支給。その原資は税金であり、使途は明快にする必要がある。市議会では、数年前から抜本的議会改革を進めるが、政務活動費については「1円以上すべて領収書添付」「使途チェックの第3者機関設置」(公認会計士)を制度化した。
■交通・まちづくり
●浦和駅の高架化が終了し湘南新宿ラインが停まるなど便利になった。年明け3月14日には上野駅までだった宇都宮線・高崎線が、東京駅まで延伸する。これから駅ビルも建設され、駅周辺はにぎわっていく。西口方面の旧中仙道沿いの商店街に活気が無い。何とかしなければならないと調査を始めている。●大宮駅で特筆すべきは、年明け3月14日に北陸新幹線が金沢駅まで伸び、2016年には北海道まで新幹線が延びる予定。通過駅ではなく、大宮に止まってもらうような魅力を増す努力が必要だ。●気になることもある。「東京の重心が南下している」とは、ある大学教授の言葉。確かにリニアは東京駅より南の品川駅に接続予定。東京駅から羽田空港あたりの利便性は急速に高まっている。北部に位置する我々は、重心が離れていることも念頭に置いたほうがいい。
■12月衆議院選挙、突然の解散、自公3分の2議席
●安倍政権延命のための解散だったことは明白だが、野党は勢力拡大のチャンスでもあった。準備不足でこれを逃した形だ。当の私も、今回は市議会開会中ということもあり、魅力的な勢力も無く、応援には足を運ばず議論をじっと見つめていた。●私は、これまでの安倍政権の動向に大きな懸念を持つ立場。だから選挙の結果は大変残念だ。アベノミクス、集団的自衛権、原発再稼動、憲法改正、地方分権…課題は山積しており、選択肢が必要なのに、自公政権が3分の2を占める結果に、危機感を強く持っている。低投票率もまた、大きな懸念だ。●今後、野党の再建を期するとともに、持ち場のさいたま市が、国がどうあれ安定した環境を維持できるよう、さらには政治が信頼を得られるよう、自らに求められている責任や役割を果たすべく、気を引き締めている。
■今後の「さいたま」を展望して
●この転換期、これまでの時代がアクセルを踏み込む「加速の時代」だとすれば、様子を見てブレーキを踏む「減速の時代」といえるかもしれない。●そもそもさいたま市の合併は、高度経済成長の流れで形成された計画。東京一極集中の分散のため「さいたま新都心」をつくり、官庁や企業本社を担うはずだった。しかし、官庁は関東出先機関、企業は本社機能を都内に残したまま。「8-1A街区」は、主な土地所有者の埼玉県が「日赤病院」「小児医療センター」の移転を決めた。つまり、これまでの東京の切り張りの「業務核都市構想」は断たれたのだ。高度成長時代を前提としたまちづくりは完全に潰えた。●清水市長誕生後、市長直属に置かれた行革本部が「公共施設マネジメント計画」を策定。これまで行き当たりばったりで建替え・修繕していたが、今後は長期的視点に立ち全施設を網にかけ、人口や財政の推計を重ね公共施設を計画的に縮小する。●さいたまは、こうした「減速の時代」を踏まえながら、本格的な将来像を描くのは、むしろこれからだと考えている。見沼田んぼと新都心の対比など、さいたま市にはさまざな内在する資源がある。東京の後追いではない独自色でまちの将来像を描きたい。まずは2020年東京オリンピックまでの間、市内で文化・スポーツの大きなイベントを行いながら、自らの可能性を探る段階なのだろう。
■最後に…2014年そして2015年へ
●最後に私自身のことを少し。心掛けてきたのは「議員活動に慣れない」こと。慣れが生じると、緩みが生じます。それから「人のせいにしない」こと。あらゆる責任はまず自分から、という気概を忘れずにいたいものです。●昨年末にたてた目標「和に取り組みたい」という目標は、なかなか余裕がありませんでしたが、ライフワークの空手では子どもたちと相変わらず汗を流しているところです。●2015年は結果を出すことにこだわりたいと考えています。入口の、スタートラインに立つことで満足することではなく、ゴールもしくは成果を出し、少しでも今この時代に貢献できたら、という思いを強くしています。前へ、前へ。
以上。