• 「猫の手貸します」
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今、日本への帰国時間を待つグアム空港で
このblogを記している。
グアムを初めて訪問し、
青い空にビーチ、という観光の一側面のイメージから一転、
深いグアムの魅力や課題を知ることとなった。
今回の訪問は、さいたま市内在住の
大河内氏の強い勧めにきっかけがあった。
大河内氏は日本人で唯一グアム政府から
正式に任命されている「グアム親善観光大使」である。
実に100回に近づくほどの訪問を誇る氏は、
近いうちにさいたま市とグアム政府の間で
「友好都市」を結びたいと考えている。
その氏の繋がりある現地の日本人、
グアムの要人たちと懇談をさせていただいた。
その模様はすでにblogにて掲載しているが、
その他、印象に残った点を以下に記したい。
まずグアムの特徴。
●人口 18万人
●面積 淡路島と同じくらい
●所属 米国
●人種 チャモロ人がほとんど
●通貨 ドル
●言語 英語、チャモロ語
次に日本との関係や経済事情。
●日本から飛行機で3時間ほど(成田空港から)
●経済は観光業が6割、米国政府補助が4割
●主要産業の観光で、75%が日本人
 次いで韓国、台湾
●意外だが中国は米国政府の外交的姿勢でビザがおりていない
●最近ロシアに対し、ビザの発給を認めた。
 背景には日本人観光客があまり大きな出費をしないこと、
 そもそも日本人観光客が斬減傾向にある
日本人に依存してきた観光業について、
グアム政府は中国も含めた多国主義、
大きな出費を期待する路線に変更しつつあるという。
最近の課題。
●ミクロネシア移民の増加による社会保障費の増加
●医療体制の恒常的な 不足
今後について。
さいたま市とグアムとの間で友好都市を結ぶことができるか、
という課題についてその可能性を探るのが
今回の訪問の第一目的であった。
結論としては、
友好都市という位置付けにすぐにできるかは、
さいたま市側の意思もあるし、
相手のグアム政府の意思もあるから、
簡単なことではないと認識している。
先ずは平行して実質的な各種の交流を進めていくことが、
その方向に向けた一番のそして確実な方法となるのだろう。
これまですでに市内小学校とグアムの間で交流が進められてきているし、
さいたま市民でグアムを訪問する方も少なくないだろう。
何より大河内さんという日本人で唯一の親善大使が存在している。
こうした手がかりを前提とし、
グアムの持っているものでさいたま市が恩恵を受けるもの、
さいたま市が提供できるものなどを整理し、
見出していく作業が必要となろう。
英語教育という視点、
歴史教育という視点、
異文化交流という視点…
さいたま市による農業技術の支援、
という切り口もあるかもしれない。
これは今後も深く模索を続けていくべき課題だ。
私は次回の訪問時には、
まず、ケン芳賀氏の戦跡ツアーに参加したい。
http://www.usesguam.com/historical/index.html
2日目の夕食をともにし、
芳賀氏の熱い思いを聞いた。
私は、「日本人」という肩書きを背負う。
海外に行くことができるのも、
パスポートにある「日本国」のお墨付きがあるからだ。
第二次世界大戦で犠牲になった方々の慰霊や、
日本が犯した現地での虐殺などの罪など、
ここで起きた過去の事実に触れることで、
日本の国を、そして自分を、
客観的な視点から見つめ直すことがでいるのではないか。
自分の足で巡り想像を働かせたい。
その線上に現地の方々との
本当の交流が待っているような気がしている。
このような歴史教育の場としての可能性も十分あり得る。
いずれにしても。
お互いにとって実質的で協力的な交流ができるような
環境作りから始めたい。