• 「猫の手貸します」
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ファミリーホーム。
ここで言う施設は高齢者向けの施設ではない。
子ども向けの施設である。
写真はファミリーホームとなる予定の空き家である。
さいたま市内では初めての設置となる。
NPO法人ヴィレッジが運営主体となる予定だ。
ちなみに、この団体は主に20‐30代の若者が運営している。
ぜひさまざまな形で支援していただきたい。
さて。
虐待など何らかの事情で
親と暮らすことのできない
子どもたち(以下、要保護児童)が、
世の中には多数存在する。
こうした 子どもたちが
施設の責任者を親代わりとして、
自分の家として、ここに住みながら、
子ども時代を送り、社会に巣だって行く。
要保護児童は都道府県か政令市の
「児童相談所」の判断により、
●一時保護所でしばらくの時間を過ごし、
 家庭に戻ることができるか様子を見る
●児童養護施設に入所し、
 高校卒業まで施設を家として子ども時代を過ごす
●里親に養親となってもらい、
 その家庭で過ごす
どの進路が予定されている。
実際には児童養護施設に入所する子どもたちがあまりに多く、
一時保護所も常時満員の傾向にある。
一方。
児童虐待の認知件数が増え、
虐待の対策に関心が高まっているにもかかわらず、
圧倒的に里親の養育を受ける子どもは少ない。
施設に子どもを入れる、
というのが、これまでの日本の実態である。
これは施設主義の返上を進め、
家庭での養育の割合を高めてきている
世界各国の流れから大きく引き離されている。
しかし、なかなか家庭での養育が進まないのが現実だ。
里親の普及にはさいたま市も熱心に取り組んでいるが、
実際にはその里親も苦悩しながら毎日を送っている。
それを見た里親希望者は、
一歩踏み出せない段階にいるケースも少なくない。
国内で里親支援をもっとも進めていると評される
福岡市の施設を見学したことがあるが、
ここでも「これから」という感じだった。
こうして引き受けるべき里親が増えない中、
しかし施設主義をそのままにしていて、
いいというわけではない。
現状を少しでも改善し、
家庭的養育の方向に進んでいかねばならない。
これが現在の日本を取り巻く課題である。
そこで現在のような50-100人、
といった大人数の施設に入所するよりは
小規模型の施設の方がより家庭的であることから、
少人数のファミリーホームへの移行が
慈善の策として進められているのだ。
政府は重い腰をあげ、
現状から10倍以上の数を目標に、
設置を進めており、今後増えていくのだろう。
ただ、現場に足を運ぶと、家賃や交通の問題など、
少なくない課題が聞こえてくる。
里親支援も合わせ、同時並行で進めていくべき課題だ。
私は、何度も述べているが、
このテーマほど公の役割を必要としているものはない。
その課題の把握に努め、
解決するために今後も行動していきたい。