• 「猫の手貸します」

12月議会は11月30日より開会している。
すでに1週間を経過しているが、
12月1日には、画期的な2つの議決があった。
一つは「障害者福祉法の制定を求める意見書」。
障害者の置かれた現状を
抜本的に見直す内容の法律制定を求めるもの。
自民党は国政を担当する党本部の流れとは
必ずしも一致しない中、
一部の退席した議員を除き、多数が賛成にまわった。
発議した議長をはじめとして、勇気ある行動に敬意を表したい。
こうした政策的なメッセージを
自治体サイドから発することができたのは、
大変意義あることだ。
2つ目は「文化芸術都市創造条例」。
単なる従来型の「文化振興」ではない。
文化や芸術を通して都市を創造しよう、
という壮大なビジョンを包含した条例である。
思えば市議選前の今年2月に
同趣旨の条例案が市長から提案されたものの、
準備不足と選挙前の政局的扱いで「継続」の議決、
つまりは任期切れ「廃案」とされ出直しとなった。
その後の協議を経て、
9月議会に市長より再提出された。
議会サイドは一旦継続扱いとし、閉会中に審議。
そしてその案を修正した。
晴れて12月議会に成立したというものである。
清水市長の改革の応援者の一人である私の目から見ても、
この条例案の提出にあたっては、
いささかの準備不足は否めない。
成立時期を優先しすぎたのだろう。
ある文化活動を熱心に携わっている人からは、
条例案やその時間優先のプロセスについて、
私に苦言も寄せられた。
いうまでもなく。
この条例の成立を持って終了ではなく、
ここからがはじまりで、今後が重要だ。
幾多の留意点を踏まえ、
市内の文化・芸術に関わる人たちに、
広く深くかかわってもらい、
さいたま市の文化芸術分野を
市民の生活にまで反映していく視野が必要とされる。
行政は自らの力量や役割を踏まえ、
余計なことをせず、すべきことに特化するべきだ。
市内には驚くほどの質の高い文化や芸術が存在している。
その潜在的な力を引き出すことができるかどうかがカギを握る。
それは、修正案を議決した
我々議員にも大きな責任があることは言うまでもない。
いずれにしても。
今年2月のノーマライゼーション条例の議決を含め、
こうしてさいたま市議会は、
新たな独自の意思表示の道に
歩みを向けはじめていることを報告したい。
議会改革の専売特許は、
「議員報酬や定数の削減」だけではない。
質の面での改革が最も重要だ。
機能する議会を志向して活動を続けていきたい。