• 「猫の手貸します」

橋下候補の圧勝の結果は、
充分に想像のできたこと。
すでに私のブログでも、
11月13日の時点でこの状況は記している。
https://www.doih.net/archives/12228
この結果から言えることは、
既成政党やその陰に隠れる既得権益、
ここには政治家や公務員も含まれるが、
ここにメスを入れてほしい、
という有権者の意向があまりに強いということ。
橋下候補ならばやってくれるに違いない、
そんな期待が込められていたのだろう。
むしろ平松候補には、
既得権益にメスを入れるどころか、
既得権の上に乗っかり、
それを擁護しているかのような
印象を受けた有権者が多かったのではないだろうか。
いずれにしても。
この流れは、大阪だけではなく、
全国共通の意向だとみて間違いないだろう。
もとはと言えば、
2009年8月に民主党に吹いた大風は、
やはり同様の風だったはずだ。
民主党は残念ながら、
その期待にこたえられないまま、
国民の信頼を失って現在に至っている。
今後の国政の動きも、全国各地の政治の動向も、
この文脈で考えると見えてくるのではないか。
この既得権の解体の主張を鮮明にし、
次の社会に向けたビジョンを提示できる候補者。
さらにはそれを本当に実現できると信頼された勢力が、
国民の支持を獲得していくのだろう。
政治を一つの生命体と考えれば、
生物学的な新陳代謝が起きているかのようだ。
さて。
私の持ち場のさいたま市。
清水市長は、2009年5月、
やはり大きな期待を受けて、
現職を破って、奇跡ともいえる
圧勝という結果を残し市長に就任した。
その市長主導の下、
各種の改革が始まっている。
行革に関心の高い私から見ても、
市長直属の行革本部を起点とした
全庁的な行革の取り組みは評価に値する。
民間の力を引き出す
職員の積極的な姿勢も見られるようになってきた。
縦割りを排して横断的な
取り組みをしようとの姿勢も垣間見える。
市民全体に説明し、
理解を得ようというオープンな姿勢、
市民の相談に真摯に応えようとする
役所を目指した行動…
それまで凍結して動かなかったものが、
一気に氷が解け始めた感がある。
ただし。
新しい時代に即した改革の歩みが停滞すると、
すぐさま有権者は別の政治主体を選択し、
その停滞を是正することとなるだろう。
市長の改革のスピードよりも、
もっと速い改革を掲げた候補者が名乗りをあげれば、
清水市長は見捨てられてしまうかもしれない。
清水市政が今後も継続するためには、
こうした点に大いに留意するべきだ。
納税者の立場に立った行革の推進を
本位とする私の立場からすれば、
この視点から、清水市政には、
時に厳しく、時にエールを送りながら、
自らの責任を果たすことが役割だと考えている。
それにしても歴史のページは着実にめくられている、
と実感させられる大阪の選挙の結果だった。