大阪市長選、府知事選が、
全国の注目を集めている。
単なる局地戦ではない。
ここには現在政治が直面する争点が詰まっているのだ。
橋下候補。
舌鋒鋭いパフォーマンス、
「教育基本条例」の制定など強引な手法、
そして「大阪都構想」など大胆な提案、
最近はその出自までが取りざたされている。
いくつもの話題に事欠かない。
私は枠組み論の都構想によって
経済活性化となるのかは疑問を感じるし、
教育基本条例などの発想も支持しているわけではない。
が、それは個々の表面的な事象であろう。
それだけで選挙をみると見誤る。
私は、この選挙の争点として、
「旧い(これまでの)政治」に対する有権者の意思表示、
という側面に着目している。
有権者は少し極端に振れている
「橋下徹」という「道具」を使って、
現在のふがいない政治状況に
メスを入れようとしているのではないか。
特に経済的な疲弊の著しい大阪の人たちの、
切実な想いが凝縮されているのではないか。
橋下候補の高支持率の意味を、こうした背景の下、
新陳代謝の一つの事象だと捉えると理解できる。
これは政治的失点が露呈してもなお、
一定の支持を維持する河村名古屋市長の構図と似ている。
この選挙。
見事に
「橋本候補=新たな流れ」VS「平松候補=既存政党グループ」
という構図となった。
既存政党は、有権者の信頼を失って久しい。
大阪市民はそれを投票での意思表示に明確に示すに違いない。
平松候補は「新しい政治」の基盤に
足を置いていることを有権者に示せなければ、
圧倒されてしまうだろう。
今「守る」姿勢は、
既得権サイドの代表ととられる。
一方で、新たな流れが主流になる過程において、
時に「まがい物」が内包されることがあることも、
歴史的事実であり忘れてはならない。
さいたまの地から注目している。