9月議会の45日間にわたる審議も終了。
特に会派を代表しての代表質問と、
決算委員会の委員という大役をにないました。
その決算委員として、委員会において、
決算の4議案の認定に賛成の討論をしましたが、
以下、その原稿を掲載します。
原稿ですので、
若干実際の発言とは異なっています。
正確なものは、
後程さいたま市議会の会議録をご覧ください。
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改革フォーラムさいたま市議団の土井裕之です。
議案第110号、第111号、第112号、第113号の
各平成22年度決算議案について、賛成の立場から討論いたします。
本決算議案について、次の5つの点を念頭に審査に臨みました。
●将来を視野に入れた責任ある公正な財政支出がなされたか。
●時代の要請を踏まえ、無駄を排し効果を上げる選択と集中が進められたか。
●市民や企業・NPOなど民間の団体・組織の力や、個々の職員の力が引き出されるような、市内外での横断的な運営が行なわれたか。
●納税者である市民に向けて丁寧な説明と納得を得るプロセスがとられたか。
●経済状況の悪化が続く中、深刻化した貧困の固定化を招かないよう自立支援策の強化がなされたか。
審査した結果、当決算はおおむねこれらの点を踏まえた内容となっていると判断するものです。
以下、常任委員会ごとに具体的に評価する点、留意点を述べていきます。
■■■総合政策委員会■■■
●全体の財政の数値は、これまでに引き続き良好な値でした。
経済不況が続き、税収増が望めない一方で、貧困問題や少子高齢化に対応するための支出が増大する中、抜本的な行財政改革により選択と集中を進めてきた結果が、この数値に反映されたものとして評価しています。
ただ、「経常収支比率」と「臨時財政対策債への依存度」が伸びている点は留意するべきです。経常収支比率は、年々数字が高くなり硬直化が進んでいることから、監査委員会の委員長の指摘を踏まえ行財政運営に反映するべきと考えます。
なかでも、人件費の占める比重が大きいことも気がかりであり、
●基金を活用した退職金の見える化や、
●人事委員会の独自性を加味した民間給与実態調査を志向するなど、
対応していくことも視野に入れるべきと考えます。
●また、臨時財政対策債について、約250億円の発行額、と市債に占める割合は最大のものとなっています。地方交付税制度に位置づけられた国の制度設計によるものとは理解していますが、起債はさいたま市独自の判断で行なわれているものであり、起債という性格や、国の財政難で交付税制度の先行きが不透明な中、今後の起債においてはくれぐれも慎重な姿勢が必要だと考えます。
●防災対策については、東日本大震災の教訓を受けて加速度的に取り組むべきと考えますが、なかでも共助を強化する防災対策に集中して取り組む必要があると考えています。
また、
●本庁舎の耐震化は、来朝した市民や災害時に中枢で役割を担う職員の生命に関わることであり、新庁舎の検討とは切り離して、前倒しで進めるべきと考えます。
経済局の取り組みでは、
●テクニカルブランド認証事業
●市内企業の国際化 など積極的な姿勢が見受けられ、引き続きの成果を期待するものです。
●早期企業化教育事業は、実体験が少ないと言われている子どもたちへの貴重な機会を提供するものであり、教育委員会との連携でより一層の拡充を期待します。
■■■文教委員会■■■
●教育相談事業は、さわやか相談員の増員、24時間いじめ相談、アンケート調査、いじめ対策プロジェクトチームの活動など、充実した取り組みがされている点を評価しています。
●フリースクールなど公立小中高の学校以外での教育関連団体と教育委員会との連携のあり方が明確ではない点は課題と考えます。教育委員会としての方針を示し、連携と支援についての施策実施を求めるものです。
●就学援助制度は、その周知をきめ細やかに行なっていることがわかりました。貧困ゆえに学習の機会が奪われ、学校生活から排除される子どもたちが出ることのないよう、福祉関係との連携を強化するなどの取り組みが重要であると考えます。
●障害のある子どもたちへの特別支援教育は、当事者の意向を尊重した対応が行われているとのことでした。学級支援員の配置も必要に応じてなされています。今後も学校のバリアフリー化を進め、障害のある無しに関らず、子どもの状況に応じた適切な教育環境を充実されることを期待しています。
■■■市民生活委員会■■■
●消費者行政については、国の消費者行政の拡充の流れを受け、基金を活用し相談員の待遇改善に努めるなど、相談体制の充実が図られていました。今後もよりいっそう相談者に寄り添った相談活動を期待しています。
●多重債務者対策として、具体的に一般職員と消費者センターとの連携が見えなかったのが気がかりでしたが、全庁を上げての取り組みに期待しています。
●郵便局証明書発行事業については、平成24年度からのコンビニ発行を視野に、費用対効果を念頭に見直し作業を進めるべきと考えます。
●養子縁組については、犯罪での悪用が取りざたされている中、窓口での対応強化など、国の支持を待つまでもなく、主体的な取り組みを期待したい。
●一般廃棄物処理については、変わらず自区内処理の原則に立つとの答弁を確認したが、更なるごみ排出抑制に取り組むことを期待します。
●漫画振興については、漫画会館やユーモアスクエアという場所を活用するなど、より一層の漫画を活用した地域振興を進めていくことを期待しています。
■■■保健福祉■■■
●障害者総合支援センターは、就労相談などの支援を通じ120名を就労に結びつけた点は評価するものです。今後も引き続き、特別支援学校卒業生の増加も踏まえながら、就労環境に力を入れていただくことを期待しています。
●地域デイケア施設は、今後もニーズに応じた支援が適切に行なわれることを期待します。
●生活保護受給者の急増が際立つ中、自立生活支援対策プロジェクトや、各区福祉事務所の自立生活支援相談窓口の設置などにより、自立支援の対策が強化されたことを評価しています。平成23年度内には福祉事務所にハローワークが設置されることも質疑答弁にあったが、今後も就労支援に力をさいていただきたい。行政のみならず、地域資源を活用した横断的な貧困対策を進めるべきと考えています。
●母子家庭等福祉事業では、行政の政策的関与が不明であり、他の行政施策との連携により効果をあげることが必要であると考えます。なお、事業名の「母子家庭等」の「等」には父子家庭が含まれていると理解していますが、正確を期するため事業名を「ひとり親家庭支援事業」と改めるよう提案します。
●市立病院については、監査委員の指摘にある点を留意するべきと考えます。
■■■まちづくり■■■
●地区計画は58地区でなされているが、住民発意の地区計画制度の普及に、より一層力を入れるべきと考えます。
●本市が4つの市の合併によって成り立っていることから、まちのあり方、都市計画のあり方での課題を明確に市民に発信し、地域住民の理解、合意形成に努力されることを望むものである。
●中高層マンション建設が頻発しているが、現行の紛争防止条例の制度内では解決困難であり、都市局部門との連携を強化し、条例の改正に向けた対応を求める。
●高度地区においては、当面住居系地域を対象としているが、商業地域も対象とし、エリアの選択を行う必要があることを指摘します。
●全市的に中高層マンション建設問題がいまもなお起こっており、高度地区、地区計画制度の活用と共に、事業者による開発行為への適宜の対応が求められているが、残念ながら周囲環境とそぐわない開発行為への対策は実施されていない。良好な住環境を維持するための開発行為等許認可事業の改善を求める。
●歩いて行ける身近な公園づくりの事業については、地域間での格差がいちじるしいため、適切な公園配置に期待します。
●水道事業については、水道局中期経営計画のほとんどの達成、職員一人当たりの給水収益の向上、企業債残高の圧縮など、これらの取り組みを評価するものです。自己水源の活用拡充により、今後もさいたまの安全でおいしい水の供給に期待をしています。
●水道庁舎の耐震化は、災害時のインフラ復旧などで役割を担う水道局職員の安全を確保する意味でも緊急課題だと考えます。十分な検討の上、方針の明示を求めるものです。
●下水道は、整備の進捗率が向上していることが認められました。今後も引き続き整備を進めていくことを期待している。
以上が評価する点、留意点ですが、そのうち留意点については、更なる改善に向けた取り組みに期待し賛成討論とします。