• 「猫の手貸します」
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知人からのお誘いを受け、
自衛隊による富士総合火力演習を見学した。
毎年、御殿場の富士演習場で行われている。
昭和36年より始まり、
今年で51回目の実施とのこと。
数万人の観衆が見守る中、実施された。
この演習を見ながら、
いろいろなことが頭をめぐった。
まずは、東日本大震災での自衛隊の活躍。
ある検視医からも高い評価がなされていたが、
本当に献身的な活動をしていた。
私も3度の被災地訪問で、
自衛隊による救助・復旧作業など、
高い使命感で黙々と任務に当たっている姿を
何度も目の当たりにした。
若手の自衛隊員たち。
訓練されているのだろう。
キビキビとした動きや、
鍛えられた体は印象的だ。
女性隊員の姿も目立つ。
同世代が青春を謳歌するなか、
特殊で厳しい訓練や、
時に被災地などに派遣され、
危険な任務につく隊員たち。
心中はどんなものだろう。
そして、迫力のある演習。
戦車からは目にも止まらぬ光の線と
少し遅れての地面を揺るがし空気をつんざく大音。
一つ一つの砲弾が身体の芯を振るわせる。
ここで、ふと思った。
「射つ側」から見ているからいい。
射たれることを想像すると、ゾッとする。
一溜まりもないだろう。
想えば、この砲撃が訓練以外に、
つまりは人間に向けて使用されないよう、
くれぐれも願いたい。
射つ側にしても、
尋常な精神状態ではいられないだろう。
戦争を回避するのは、
政治のもっとも大切な役割だ。
不安定な北朝鮮の動向、
領土問題を抱える中国や韓国との関係。
隣国との間でも、火種は尽きない。
毅然として自らの主張をしつつも、
外交での解決をどこまでも志向するべきだろう。
シビリアンコントロール、
地に落ちた政治の信頼回復、
現実主義と理想主義の両面を兼ね備えた
粘り強い外交。
こうして浮かんでくるキーワードを
深く掘り下げていきたいと思う。
過去の歴史を踏まえ、
さらには現実を直視し、
「平和」の尊さとその意味を、
私たちは常に考え続けなければならない。
思考停止に陥ってはいけない、
と改めて感じる機会となった。