• 「猫の手貸します」

6月21日、文教委員会では
「議案外質問」がおこなわれた。
行政職員の行なっている仕事内容について、
委員は限られた時間内で、
前もって通告していた内容についての質問を
行政職員に対して行なうもの。
文教委員会は教育委員会の仕事内容を対象としており、
その範囲内で質問ができる。
広範囲にわたり委員も積極的に発言しているし、
行政職員も従来の原稿を読むスタイルではない、
自分の考えを率直に話すような傾向となっており、
議会の活性をの一端が見える。
私の質問内容、その背景や趣旨、
主な答弁を以下に記したい。
正確なやり取りは、
しばらく後に委員会録に掲載されるので、
そちらをご参照いただきたい。
http://www.kaigiroku.net/kensaku/cgi-bin/wwwFrameBase.exe?A=frameBase_etu&USR=saisais&PWD=&L=1&S=31
   ★   ☆   ★
■■1.東日本大震災の教訓と大規模災害への備えについて
(1)栄小学校の地盤沈下による損壊の検証状況について
(2)教職員、生徒の避難場所運営委員会への積極的な参加について
【答弁】
(1)検証はこれから。
(2)まだ立ち上がっていない運営委員会もあるが
   関わりについて検討していく。
【背景と趣旨】
(1)震災の影響で栄小学校において地盤沈下が発生し、損壊して校舎が使用できなくなった。幸い、直後に避難し事無きを得た。小学校は子どもたちがかなりの時間を過ごす場であるとともに、いざという時の避難所となっている。こんなことから建物の耐震化を進めてきたわけで、平成24年度中に全ての小中学校の校舎・体育館で耐震化が終了する予定である。ところが、今回の一連の災害がもたらしたのは、建物という上ものだけを対象にして防災対策を打つだけでは足りないのではないか、つまり、地盤の中のことまでを対象に見ていかねば万全の防災対策ができているとは言い難いのではないか、という点である。これは私にとっても衝撃的であり、検証を待ち大きな関心を持って取り組んでいくべきものと考えている。
(2)小学校などに避難場所運営委員会が地域の住民主体で設置されつつある。災害発生直後は、行政機関は機能せず、公の助けは望めないことから、「自助」とともに「共助」を手厚くして備えておく必要がある。住民の一簿が熱心だったり、行政主導で設置だけされて開店休業であったりすれば、実際の災害時に機能するのか怪しくなる。そこで、学校が避難場所になるケースが多いことから、日頃から教職員や学生(特に中学生)が積極的に関わって地域の防災力を日ごろから高めていくことが望ましいのではないか。
■■2.福島原発事故に起因する放射性物質の放出とその対応について
(1)文部科学省からの通達等のはたらきかけの内容について
(2)教育委員会としての認識と姿勢について
(3)保護者の心配の解消への取り組みについて
(4)個別の対応について(プール、給食等)
【答弁】
(1)4月20日の通知のみである。ほとんどは福島県を対象としたもの。
(2)(3)(4)風評被害を生まない配慮をしながらも、
  保護者の不安の解消に積極的な姿勢で臨む。
  また、これまでもアレルギーへの対応など
  保護者の選択権を容認しており、変わらずに行なっていく。
【背景と趣旨】
今回の答弁でも示されたが、さいたま市では市長部局も教育委員会も、「保護者に寄り添って積極的な独自の取り組みを行っていく」ことを表明している。私はこの姿勢を評価している。国や県に比べて所掌事務ではなかったことから専門知識に乏しかったが、それをカバーするべく、この短期間で庁内に連絡会議を設置し、情報の共有に努めている。教育委員会でも幹部が小まめに会議を開催し、情報共有を綿密に行っているという。また、保護者の選択権も柔軟性を持っており、学校給食の食材は近所のスーパーのものと同等のものであるにしても、負何な気持ちに寄り添って対応しようとしう姿勢を持っている。これまでについては、物理的な要因で後手に回っているという指摘もあるが、今後も引き続き積極的な情報発信など、住民も不安解消への行動を期待するとともに、行政のあるべき行動をチェックしていきたい。 
■■3.武道の必修化の準備状況について
(1)現在の準備状況について
(2)柔道の指導者の経験や質の確保について
【答弁】
(1)学習指導要領の変更で平成24年4月より実施する。剣道は15校、柔道は11校、両方を行なう学校が28校、相撲が3校である。
(2)柔道の指導者の経験や質の確保については、すでにこれまでも実施してきているが、引き続き講習会や研究会を開催し質の向上に努めるとともに、ボランティアの指導も取り入れていく。
【背景と趣旨】
武道の必修化を前に、問題提起をするテレビ報道を見た。27年間で100人を超える子どもたちが、柔道の授業や部活の最終の事故で亡くなっていた。私も11年間柔道を経験してきた立場から、指導者の質が高く、さらには経験に裏打ちされ安全について細心の注意を払わねばならないたぐいのものだと考えたている。せっかく伝統・文化を重んじるために導入されたのに、事故で逆効果が起きては台無しだ。命にかかわる可能性もあるため、今後も注意を払っていきたい。
■■4.浦和くらし博物館民家園の活用について
(1)そもそも文化財の活用についてどう考えるか
(2)見沼の一画に含まれていることについて
【答弁】
文化財を活用している。民家園については年間5万4000人が訪問している。見沼の一角をなす拠点施設として今後の貢献を念頭に置いている。学習のみならず観光などの要素も組み入れていく。
【背景と趣旨】
見沼田圃はさいたま市のブランドであり、代名詞でもある存在である。見沼基本計画が策定され、本年度中にアクションプランが策定されることとなっている。こうした視点から見沼地内にある民家園は重要な位置づけにあり、単なる建物を保管するだけではなく、見沼に観光客が来るのうな魅力的なイベント等の発信をしていくことなど、努力していく必要がある。的確な構想とアイデア、積極的な関わりを持つ人たちがいれば、結果は自ずと出てくると思われる。