あるはずのないいくつもの光景が広がっていた。 巨大な船が陸に上がりいくつも連なる。 コンビニは中身が粉々になり、倉庫はがらんどう。 ガソリンスタンドは屋根を剥ぎ取られ、 いまだガソリンが流れ出していた。 ただただ無言で、しかし、目に焼き付けて歩いた。 細かく目を凝らし、一つ一つのものを具体的に見ると、 生活の息づかいが想像される。 こうして人々の生活も地域も、 一瞬にして奪い去っていく津波の恐ろしさを、 まざまざと見せつけられ、脳裏に焼き付けることとなった。
土井裕之 さいたま市議会議員(南区選出)