• 「猫の手貸します」

納税者主義。
今回の挑戦で私の行動を象徴する、
最前面に打ち出している言葉である。
議会に納税者の視点を注入したい、
そんな私の考えを現わした言葉である。
これを自転車街宣にて、
遭遇する市民の皆さんに伝えている。
さて。
南区南西部のとある場所にて。
学校の校庭に隣接する道路に入った。
ところが、少し進んでみて、
その先に通り抜けできる道がないことが分かった。
自転車街宣ではよくあることだ。
しょうがない、踵を返して
元来た方向に自転車の先頭を向けた。
と!
その時。
「待ってえ!」
背後から、初老のおばさんの声。
どうも語気の強い、余裕のない声だから、
こんな時は、厳しく言われるケースが少なくない。
道の最奥部に停まっていた車の
運転席に乗っていたようだ。
「単なる間違いだしなあ…」
必死に短時間で言い訳を考える。
正直、少年時代の私なら、
すぐさまペダルをトップギアで踏み込み、
おばさんを振り切っていたことだろう。
しかし、現在社会的地位のある議員という立場だ。
堂々と受け止めよう。
すると。
そのおばさんが、
「納税者って言うから…」
ああ、言葉についてか。
マイクを通じて流れる私の声と、
自転車に備え付けているのぼり旗の文字の、
それぞれの「納税者」の言葉に関心が強いようだ。
何かクレームかな?
真摯に受け止めよう。
でも、自分の信念に基づいた言葉だ。
一度決めたからには譲れない。
そんな思いで、振り向いた。
これまでの時間、約10秒。
すると…
「あの、ちょっと聞きたいんだけど…」
と話し始めたおばさんが言うのは、
こんな話であった。
確定申告に行こうとしていたが、
電話での相談がどうもわかりにくかったので、
私に相談したい、という趣旨であった。
娘さんが出産をするなど、
医療費がかなりかかったという。
その医療費分の控除や還付について、
知りたかったようだ。
役所に電話し、
その手続きや申告場所を確認して、
おばさんに知らせた。
これで無事に事が解決したようだ。
クレームどころか、感謝された。
では、なぜ私に声をかけたのか。
そう…
「納税者主義!!」が、
「納税者相談」に受け取られたそうな…
「納税者主義!!」も、
さっそく市民の役に立ったそうな!?