• 「猫の手貸します」

参議院議員になりたての
松田公太さんにお会いした。
コーヒーチェーン店、
タリーズコーヒージャパンの創始者。
若手経営者としては、
カリスマ的な伝説を有している。
今回の当選者の中でも
連日テレビに出るほど期待値が大きい。
その日。
15分ほど、松田さんを含めて3人で懇談した。
タリーズではないコーヒーを飲みながら。
率直な感想として。
謙虚でいて、秘めた想いを持っている、
という好印象を持った。
私が見た彼の姿は、
決して増長せず、
選挙時の演説の朴訥な人柄
そのものの人物だった。
「(同じ経営者出身の)中西さんらと取り組みたい」
と意気込みを語った。
そういえば、選挙の時。
日を追うごとに鋭さを増す松田さんの言葉の中でも、
とりわけ印象に残った言葉があった。
以下、記憶の範囲で趣旨を再現する。
 私はコーヒーチェーン店を経営していた。
 コーヒー1杯310円で売っていた。
 しかし、景気が厳しくなると売り上げが落ちる。
 持続するために収益を上げる方法を検討するが、
 民間企業は、ここで商品の値上げをできない。
 お客さんから余計におカネを出してもらう
 という発想に立たない。
 役員や社員の給料を削って、
 何とか同じ値段でモノを売る努力をする。
 これが民間の感覚だ。
 なぜ政治の世界にそれができないのか。
 私はこの普通の経営感覚を政治の舞台で発揮したい。
こんな内容だった。
選挙直前の菅総理大臣の消費税増税発言に対する、
最も説得力のある返答ともいえる発言だった。
消費税増税是か非か、ではない。
これに国民が嫌悪したのではない。
それを言う資格の獲得に汗をかいてきたのか、
その姿勢が問われたのではないか。
そこに国民が厳しい判断を下したのではないか。
松田公太さんは、
こんなことも言っていた。
 昨年は民主党を応援していた。
 もし民主党がマニフェスト通りにやっていたなら、
 私がみんなの党から立候補することはなかった。
つまり民主党応援団のままだった、ということだ。
実は私も同じ気持ちだ。
今回みんなの党を応援するに至ったのも、
民主党のあまりのふがいなさに対する憤りがあった。
期待し、応援した分、その反動は大きい。
国民との約束を愚直に守り通す姿勢を
なぜ示すことができないのか。
いずれにしても。
私は、松田公太さん、
そしてその松田さんの所属している
みんなんの党の今後に大いに注目している。
飛ぶ鳥を落とす勢いのみんなの党とて、
選挙時の約束を裏切るようなことがあれば、
たちまち支持を落とすこととなるだろう。
が、すでにみんなの党の行動について、
様々な動きが報じられている。
今のまま、愚直に王道を歩んで欲しい。
大きな体を持て余している民主党政権を、
小さなみんなの党が、
本筋の主張を貫いてリードしてほしいものだ。
 
松田さんとの別れ際。
「1期生ながら臆することなく行動してください」
と言葉をかけた。
少々、生意気なことを言ったと後で反省。
「もちろんです」
松田さんは、さわやかに応え、
次の場所に向かっていった。
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写真は、選挙時に凱旋をする松田さんと
その応援に駆け付けた田中秀征先生。