先日。
埼玉県飯能市の山林に
ペットの死体が遺棄されたという事件があった。
元市議が容疑者であったことなどから、
話題となったが、
飼い主の想いを踏みにじる事件として取り扱われた。
現代社会では、
もはやペットは家族も同然である。
事件では、火葬炉もお墓も
個別に用意されていることが裏付けられた。
それだけに大きく報じられた面もあるのだろう。
ところで。
この事件の延長で。
動物愛護センターの殺処分の話にも触れておきたい。
この世の中には、
動物を飼う時の初心を忘れたのか、
しばらくするとそのペットを放棄する飼い主もいる。
もちろん、やむを得ない事情があって
飼えなくなるケースや、
一人暮らしのお年寄りが亡くなった際に
ペットが取り残されるケースなどもあるから、
悪意に満ちたケースばかりではない。
ただ、モラルを失している飼い主の存在は確実にある。
飼い主を失った犬や猫は、
どこへ行くのか。
動物愛護センターである。
都道府県には設置されており、
政令市も設置することとなっているので、
さいたま市にも存在している。
新しい施設である。
機会があったらぜひ足を運んでいただきたい。
桜区の区役所のそばの荒川沿いに
ひっそりと存在している。
中に入ると。
子どもたちなどは、
一気にボルテージが上がるだろう。
かわいい犬や猫が出迎えてくれるからである。
★さいたま市動物愛護ふれあいセンター
http://www.city.saitama.jp/www/contents/1188533007730/index.html
このかわいい犬や猫たち。
運が良ければ、
新たな飼い主に引き取られていく。
2桁に上る件数が、
引き取られているようだ。
しかし、引き取り手がなければ…
有毒ガスなどで「処分」されてしまう。
つまり殺されてしまうのである。
ここでは感傷的な気持ちには浸らず、
冷静になりたい。
処分数については、
愛護センターのHPに掲載されている。
職員の人たちは決して、
処分を好んでやる人はいないだろう。
私が訪問した印象では、
誰よりも動物を大切にしているようだった。
その人たちが200を超える数の
犬や猫を毎年処分しなければならない。
そんな現状がある。
どんなに辛いかと想像している。
こうして考えると、
飼い主のモラルの問題も
厳しく問われるべきことなのだろう。
そもそも商品として動物を売り買いすることについても、
駄目だとまでは言わないが、
生命の大切さを踏まえたやり取りが必要だと思う。
注目している施設がある。
熊本市のセンターでは、
殺処分がゼロだという。
飼い主と密に接し、説得し、引き取ってもらう。
放棄を思いとどまらせる、
という方法をとっているという。
いずれ視察に伺いたいと思っている。
いずれにしても、
例の事件の陰で、
同時に公然と行なわれているこうした処分にも、
光を当てていかねばならない。